魔力測定
「皇 麗蘭、前へ」
国の役人は一つ咳払いし私の名前を呼んだ。
私はちらっと一段高い場所にある祭壇に目を向けた。
飾り模様を彫られた黒檀の台の上には魔力測定器という名の丸い珠が置かれている。
ちなみに、皇と呼ばれた瞬間、周囲からは響めきが起こっていた。
魔力測定は、10歳になった子ども達が必ず受ける為に各街の聖堂で行われる。
兄は出来なかったので、一大イベントかのように(いや、確かに重要なことなんだけどね?)態々『変化』で見た目を皇国の人みたいに変えた父とイグニスさんとアス様。
何故か外見まで変えてこっそりと皇城を抜け出してやってきた玄武様と輝葉様………そして玄武様の息子の万季彌様までが後方の保護者席みたいなところに並んで椅子に座り、きゃっきゃしながら手を振ってくる。
何だ、この状況!? むちゃくちゃ恥ずかしいんだが?!
中身おばちゃんなのに子どもの授業参観みたいな(保護者枠が多過ぎるけど)この空気、耐えれない……。
くっっ おばちゃんは度胸だ! さっさと終わらせよう!!
私の前に名前を呼ばれて祭壇に上がった子の様に、透明な珠に手を翳す。
魔力を有する子がこの珠に触れると、その子の魔力量に応じて光る仕組みらしい。
そして、この珠と対になるもう一つの珠。
『鑑定眼』スキルがある者がその珠に触れていると、魔力感知をするこの珠と繋がり、スキルは持っているのか、持っていたならばどの様なスキルなのかを鑑定できる。
彼らはこの聖堂の奥の隠れ部屋にいるらしい。
さぁ、私も頑張って『隠蔽』スキルを練り上げて色々と隠しましょうかね。
自分の本来の血筋、契約している精霊、魔力量の情報に偽の情報を上書きする。
『西方諸島に渡っていた皇国の縁戚という肩書き、契約精霊は今は無し』
12歳の儀式でサラくんはデビュー予定。
ならば、まだサラくんと契約しなくても良かったんじゃないのか?と思ってたけど、父やアス様曰く私の魔力はちょっと特殊で量も多いので中位のサラくんへの負担が大きい。
なので年月かけて少しづつ私に慣らす必要があると言われた。
この二年は、そういう事なのだよって。
とりあえず魔力の質と量も上手く隠し、平均よりはちょっと上かな?ってくらいに偽装した。
……兄が学園で優秀な成績を修めていらっしゃるので、妹もね、期待されちゃってるらしいのよ。
魔力に関する事と学業は別物だから、魔力量とかに関しては平均よりも下に偽装しても良かったんだけど、皇族の縁戚という肩書きもある。
『皇族で魔力が認められた人物はその魔力量も多い』と一般常識の様に世に知られている。
諸々の事を考えての偽装は大変だったけど、上手くいったので、あとはのんびりさせて下さい〜っっ
読んでいただきありがとうございます。




