皇の継承者
「風属性もついた事で、ペレの魔力に少し耐性がついたのかしら?」
アス様が、ふふっと笑いながら私達を優しく見つめている。
私の足にすりすりしてくれるスイちゃんの毛が無茶苦茶やわらかい……かわいぃ……。
少しばかり魂を抜かれそうになっていると頭の上にペレちゃんが腕組みして乗っかってきた。
ほっぺたが膨らんでいるところを見ると、スイちゃんに心奪われた私におかんむりの様です。ごめんなさいです!
それに、私がスイちゃんに構ってる時ではなかったですよね。
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スイちゃんがふよふよと兄の額に鼻先を寄せると、一人と一匹を金色の光が包み込んだ。
光が収まると、そこに立つ兄の髪色と瞳は漆黒に染まっていた。
色白な肌はそのままに、濃い黒は表情に影を差し、今までの兄とどことなく違っていて大人の雰囲気を漂わせていた。
「入学式は二週間後だから、それまでに倭国の勉強をしようか」
玄武様が笑顔でさらっと言う。
うん。確かに必要な事だよね。
兄も必要性を感じていたから、ある程度の事は森にいる間に母から習っていた。
でも、随分と前の情報だし、母は倭国で暮らしていた訳ではない。
あくまで他国でも知り得る情報と、体を壊す前の紫蘭おばあさんに教えてもらった知識なので、今の倭国の情報とは大分かけ離れている。今後の為にもしっかりと覚えなくては、なのです!兄、ふぁいと〜っっ
……て、口に出したら玄武様がいい笑顔で私を見つめていました。
そうですよ、ね。いずれ私も必要になりますよね………。
そうして、兄と私は、二週間の詰め込み学習という前世でも苦しんだ記憶のある苦行に身を投じたのです……。
のんびりさせて……なんて言いません。はぃ、頑張ります……。
苦行を乗り越え、無事に兄の入学式を迎えることができました!
兄は13歳からの入学という事で、初等教育科と中等教育科の一年分の学習が未修ということになる。なので、入学式前に一度魔法学園に行き学力テストを受けなくてはいけなかった。
まぁ、心配するまでもなく兄は難なくクリアして帰ってきましたが。
兄は、皇立魔法学園中等科二年生として通う事になりました。
ちなみに、名前は玄武様が考えてくれました。
『皇 獅耀』
倭国の皇族は姓を持たない。それは初代の皇冬夜が決めたのだそう。
どこかで故郷と繋がりを持っていたいから。
そして、アス様と繋がり、生命を救ってくれた事を感謝し忘れない様に、故郷の文化とは違うけれど大地の神を讃え『玄武』という名を皇王が繋いでいくと誓った。
『皇』は人名としては存在していなかった。皇族の一文字だから。
その字を私達家族は姓として貰った。
暗黙の了解である。
皇族に連なる者として、私達は周囲に認識されるんだろうなぁ……。でも、何かあった時に私達の身を守る盾になるから、と言われれば頷く他ない。
それと、もう一つ。正確には私に姓を名乗って欲しかったと言われた。
『同じ故郷の魂を持って生まれたリアンに繋いでいってもらいたい』
そう、玄武様とアス様に願われたら『はい』以外の返答は無理ですって!!
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