倭国とアス様②
「成程。リアンは転生者なのね」
アス様は『結界』の応用でその中の情報を分析、解明が出来るのだそうです。
勿論、土の精霊王だから出来る事なので他の精霊王では無理らしい。
父とイグニスさんが『うんうん』と頷いている。
正直な話、『結界』でなくとも二人にはそれに似通った力はあるらしいが繊細な魔力制御が必要らしく。
うん! 確かにあの二人には無理そうだわ〜。
「肉体はこの世界のものだから上手く融合したのかしら? 魔力回路に勇者の血と異世界の魂が一緒に混ざり合って流れてる感じね……」
アス様が不思議そうに私を見つめる。
そりゃそうだろう。
転生者と転移者が同じ血脈の中に揃うなんて滅多にないことだろう。
油と水分が偶然にも上手く混ざり合って乳化した様なものなのかな? ふむ。
つまり私はマヨネーズってことかぁ〜!!と笑いながら言ったら、倭国の皆さんは『なるほど〜っっ』と手を叩いた。
あ、この国ってマヨもあるんですね! 初代皇王さんって料理好きな人だったのか?
「レオン君の件だけど、皇国の学園に入学するのはどうかな? 別に、ランヴィドールでなくてもいいと思うんだけど?」
玄武様が準備してくれる身分証明は倭国の名字で作ることにした。
どっちにしても本名は名乗れないからね。
ただ、私の外見は比較的この国の人の色に似ているが、兄は思いっきり中央寄りの外見なんだよね。
他国の美少年………絶対に目立つわ。
「水の精霊の力を借りましょうか?」
アス様の提案を聞いた途端、渋顔で兄の首にへばりついたエアル様。
要するに、新たに精霊と契約したら?と言う提案に、どうやら嫉妬している様です。
「気持ちは分かるわよ。でも、主の為と思って受け入れてくれないかしら?」
アス様の提案は、兄に『変化』の力がある水の精霊と契約してもらい、髪色や瞳の色を皇国に溶け込む様にしてもらおうという事で。
ただし、『精霊の友』としての契約。
そして、『変化』の力が使える中位の精霊で、ということになった。
兄の魔力は精霊の好む波長らしく『誰でもどうぞ〜』と言ってしまうと、中位どころか上位も飛んできてしまいそうなので、先に誰を呼ぶのかを決めてしまおうという話になった。
「それならば……我に異論はありませぬが……」
エアル様、兄の為に頑張って気持ちに折り合いをつけてるのね!! ……ぁあ、兄の為に耐える姿……尊いですエアル様っ
「じゃあ、早速呼び寄せましょうね〜」
アス様が言うと、部屋の中から見えていた中庭の噴水が金色に光り出し、突然高く水飛沫を上げた。
暫くして水面は穏やかになり、そこに丸く光るものが現れた。
それは空中でふわふわと漂っていたが、ゆっくりと光が中心に吸い込まれて形が見えてきた。
そこには前世で見たことのある動物にそっくりなものがいた。
………えっと、……カピバラ???
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