倭国の守護者
転移によって東方・倭国の森でゆっくりとお茶する私達です。
どうも、ツァルク一家です!!
なんで、森でまったりしているのか……というとですね。
皇城に行く前に、土の精霊王様に会った方が良いんじゃないかってイグニスさんが言うので、住処である森にお邪魔しているということです。
森の中に転移した瞬間、あまりの清浄さに驚いたのです。
魔力……とは違う、かと言って神聖力でもない別の力が満ちた空間だったので。
でも、不思議と馴染むんだよね?
私の横でお茶を飲む兄と母は通常モード。
……ただ、母の横に座っている父が少々強張っているというか?
私の横に座っているイグニスさんは(気付けば私の横が定位置と化している)父をチラッと見ながらちょっとニヤけている。
「そろそろアスを呼んだら?」
脚を組んで丸木に座っているイグニスさん。
組んだ足に肘を置き顎に拳を当てながらいい笑顔で言うんだけど、父がなんかビクビクしてるんだよね。
土の精霊王様は精霊王の中で一番の年長者で、父やイグニスさんにとっては親の様な存在。
最後に会ったのが魔王に堕とされる前で、今回久方ぶりらしいけど反応が不思議。
お茶をこくこくと飲みながら父に目を向ける私です。
ぱちっと目が合うと、はぁ〜〜〜………と物凄〜く長〜く溜息をつき「……そうだな」と一言だけ。
瞬間、父の体が金色に光り出した。ゆっくりと光が収まると同時に背後から女性の声が聞こえた。
「やっとですか?」
母とイグニスさんは笑顔で振り返ったのですが、父はバツが悪そうな顔でじっとしてる。
ん? いや? 固まってる??
「……ぉ…久しぶりです……」
ぎぎぎぎ……と音が鳴りそうな動きをしながら声がした方に振り返る父に釣られて私も後ろを見ると、そこには金色に輝く瞳と狐色の髪を編み込んでまとめ髪にした妙齢な女性が仁王立ちしていた。
「ええ、本当に久しぶりだわ。何百年経ったのかしら? 私の愛し子を娶ったというのに挨拶にも来ないなんて、私の育て方がいけなかったのかしらねぇ」
小さく溜息を吐きながら言われた父は、
「あ! いや、ごめん! アスには会いにいかなきゃって思ってたんだ!! ヴィーの事も、ちゃんと」
と、物凄く慌てふためきながら、土の精霊王様に謝罪の言葉を言おうとしていた。でも、
「ふふ。シューナ、貴方素直に謝れる様になったのね」
「!! ………」
土の精霊王様に言われた途端、顔を真っ赤に染め、腕で表情を隠そうとした。
「シューナ、大変だったわね」
それだけを言って土の精霊王様は父の手を取った。
「話があるのでしょう? 私の住処はもう森ではないの。皇城で聞かせてくれる?」
「突然俺達が行って入れるところなのか?」
「あら? だって私の可愛い弟と愛し子、その家族なのでしょう? 何がいけないのかしら?」
土の精霊王様は本当に嬉しそうに微笑まれた。
私達の周囲が金色に光り出した、と思った瞬間森ではない場所に立っていたのでした。
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