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出立の時②


 実は私も精霊と契約しました。


 火の精霊王もとても信頼しているお姉様で、一月程前にご紹介され、『精霊の友』として()()()火の上級精霊『ペレ』と結んだんだけど、ペレちゃんむちゃくちゃかわいくって!

(いにしえ)の盟約』でも良かったんだけどな〜。


 薔薇色(そうびいろ)の長い髪を緩く一つの三つ編みにした小学一年生位の吊り目でちょっと気の強そうな感じのする女の子。

 火の精霊だからか瞳は深紅色。その中にキラキラと金色の光が見えるのはエアル様と一緒。


 見た目は私より小さいのに、私のことを妹の様に可愛がってくれる。

 精霊とか魔法とか、その他の分からない事を聞いたら『お任せなさい!』と胸を張って丁寧に教えてくれる頼れるお姉様! 好きっっ

 

 あ、でも実年齢が気になって聞いてみたら『女性に歳を聞くの?』と、笑顔で首をこくん、と傾げて私に問われた。……ぁい、すみません。


 そもそも、ペレちゃんと契約したのは、秋も深まりそろそろ雪が舞う季節となった夕ご飯の席、私が捌いた新鮮な鳥肉さんのソテーを食べていた時に父が言った一言があったから。


「森を出ることを考えている」


 イグニスさんが『隠蔽』の事を教えてくれてから四ヶ月。


 兄は黙々とエアル様とスキル上げを頑張っていた。父の調べ物(暗部のレベル)も無事に終わり、今の兄の『隠蔽』のレベルならば大丈夫だろうと太鼓判を押した。


 森をでて何処に向かうかという事は皆で相談して決めていた。


【東方・倭国(やまとのくに)


 お母さんのもう一つの祖国。

 

 私のおばあちゃん、つまり母のお母さんは大昔に異世界転生でやってきた勇者の血を繋ぐ倭国皇族の三女として生まれ、ランヴィドール王国に嫁いできたのだそう。


 倭国は、大陸の東に位置する小国。

 

 土の精霊王が守護する国で、土の持つ魔力の特徴である『結界と浄化、豊穣の祈り』のお陰で400年前の惨劇でも大きな被害は出ずに済んでいた。基本、穏やかな性格の方が多いのだとか。


 ただ、倭国の血を継ぐ母が『一人で魔王討伐に()()()()()』と魔王討伐後、聖霊王様が事の顛末を皇王に伝えた。


『こんな状況(世界の危機)じゃなければランヴィドール国を討ってやったのに!!』


 と、皇王自らが飛び出しそうな勢いだったのを周囲に止められ、(物理的に)縛られ、苦渋の決断をした……とか、なんとか?? ん??? 皇王の扱い、雑じゃない?



 それからというもの、倭国とランヴィドール王国の間にはマイナスにまで下がった冷気が流れているらしい。


 あ、違うか? 冷気垂れ流してるのは倭国で、ランヴィドールは何とかして国交を正常に戻したいらしい、が正しいのかな。

 まぁ、無理だろうね。

 だけど、我が家には好都合かもしれない。


 

 身分証明の為、引いては今後の生活の為にも、ご親戚の方どうかよろしくお願いします……。


 


読んでいただきありがとうございます。

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