悶えます②
さぁ、動こう!!
自分は『リアン』だ。
呼ばれていた記憶が薄らとあるし、名前を呼ばれた時に条件反射的に体がピクッとした。
咄嗟に本から目を外し声のする方を見た。
体は正直だ!!
『よし!』
私に抱きついている体に両手を回し、脇をワキワキする。
体を離してもらうにはコレが手っ取り早い。
「っっひゃぁーーーっっ」
素早く離れた男の子は、涙の残る顔を真っ赤にし、口をパクパクしながら私を見ている。
美少年の紅顔、イイ!
体をゆっくりと起こして座り直し、美少年?の方を見ながら両頬に手を添えて思わず言ってしまう。
「あ〜 むっちゃかわいいぃ こぉんなかわいい子みたことない〜 しょ〜らいゆうぼぉっていうの? げいのぅかいもいけるとおもう……あのなきがおはぁ ろ〜にゃくにゃんにょのこころぉ いとめちゃうよ はぁ〜」
私の顔もほんのり紅くなりながら、推しを見つめる眼差しでもって相手を見つめていた。
が、段々と男の子の顔の赤みがサーーーッと引いていき蒼白くなった。ん???
「………お母さーーん!! リアンがっ、リアンが! いろいろ変なのっっ」
叫ばれた!!
色々変って何かな!? 失礼なのだが!
でも、不用心な発言だった。今更だが。……自分と周囲の情報が未確認状態だったのに……。
うん……迂闊だ。前世でも家族にお小言で言われていた。反省。
笑顔を貼り付けながら掌と背中には冷や汗をかき、どんどん速くなる鼓動。
男の子の声を聞いた『お母さん』という方が森の方から出てきたと思ったら「えっっ!?」と一言だけ発しダッシュで駆けてきた! やばい。
藍色の腰まであるふわふわウェーブ髪を靡かせ、髪と同色の長い睫毛の隙間から覗く瞳は、夜明け前のようなラピスラズリの綺麗な色で、意志の強そうな眼差しが私を捉えた。
桜貝のような淡い色のふっくらとしてプルプルした唇のむちゃくちゃ美人さんが、私の頬に置いた両手の上から重ねるように手を添えて。
そして叫んだ子に視線だけを向ける。
「レオン何があったの? ……リアン!? あぁ! ほっぺに傷が!?」
『お母さん』の目がカッと見開かれる……こわい。
傷にお母さんの人差し指と中指がススッとなぞる。
「これは……? ―――魔力が感じる、んだけど……ちょっと……誰よ…うちの可愛い子どもに誰が……!!」
怒りでプルプル震える母。顔こっわ!
その背後で違う意味でプルプルしてる子。あ、また泣きそう。
「……誰がしたんじゃーーーっっ!? 犯人出てこぉぉーーい!!!!」
……おぉう、ドスきいてますなぁ……。
うん。母、キレました。




