不吉な予感、 魅色が異世界に来た理由
国の端の森の奥にレンガ造りの建物が建っている一見ただのレンガ造りの建物に見えるがそれは違う。中では一人の博士と複数の部下達がなにやら活動している。
「博士、今度エクスデビルを獲得しにくるギルドがいるそうです。」
「今までも何回もあっただろう。魔剣への耐性値がびったりな奴はおったのか?」
博士はイスを回し部下へと顔を向ける。
部下は手元にあった資料を読み上げる。
「フォースギルド。昔ニーナという女がエース格で攻略最前線組で活躍をしていたギルドです。その中でもナギサ サーク オデラントは耐性値が高く、エクスデビルを扱っても全く問題のないと考えられます」
「ナギサ サーク オデラント、悪くない。恐らくその彼女は魔剣を使用し続ければ消えていなくなるだろう。しかし彼女が消滅する前に世界は終わっているがな。」
博士はガハガハと高笑いを上げた。
「待っていろフォースギルド。お前たちにはこれから悪夢が待っているからな。」
空はまるでこれから悪夢が始まることを予期させるように真っ黒な雲に覆われていた。
「ねぇ優雅くんーちょっと来てよー」
「なんだよ?用って」
魅色は明日拒絶区に向かう前に手伝って欲しいことがあると言って俺を自分の部屋に呼んでいた。魅色の事だ。何か怪しい事があるに違いはない。そう思った。
俺は魅色の部屋に入った。魅色も俺と同じで新しくこのギルドに入ったので、まだ荷物を持ってきたと見られる木の箱などが整理整頓され置かれていた。
俺はとりあえず中央にあるテーブルに座り
「で、俺は何をすればいいんだ?」
「とりあえず座ってお茶出すから」
魅色は奥にあるやかんに水を入れお湯を沸かし始めた。そばにはハーブと見られる草が置いてあった。どうやらハーブティーを作るようだ。
俺は話す事もなく部屋中を見渡す。やはり日本の少女部屋はオシャレにカラーリングされていて女の子の部屋のいい匂いがした。
そんな事を思いつつ5分ほど待つとハーブティーが出来上がったようだ。魅色がトレイに
カップを乗せ運んできた。カップから湯気がたくさん出ていた。
「はいどうぞ!」
「わりぃなありがとう。」
俺は魅色からハーブティーを受け取ると一口飲んでみた。飲んでみると今まで飲んだ事のない不思議だけどすごく美味しいハーブティーとなっている模様だった。
「美味しい?日本のハーブティーとはまた違うこれぞ異世界!的な味してない?」
「これぞ異世界!はよく分からんが大体の話の趣旨は分かったよ。」
魅色は半分ぐらいハーブティーを飲み干すと
改まった表情で俺をちらちら見ながら
「ねぇ優雅くん私の日本での話聞いてくれないかな?」
「ああ別にいいけど?」
俺もハーブティーを飲んでいたカップをテーブルに置き話を聞く体制に入る。
「私っさ自分で言うのもなんだけど結構可愛いじゃん?」
ほんとに自分で言うのもなんだけどですね!
「それで日本の高校に行ってた時は学校中の男子からモテちゃってたんだよね」
「アイドルみたいだな」
しかしモテていたのになぜそれであんなに神妙な顔になるのだろうか?と俺は疑問に思った。それを確かめるべく
「モテて別によかったんじゃないのか?」
「確かに個人的には嬉しかったけどその分私の事を好きな男の子を好きな女子達が私に恨みを持っててね毎日くつを隠されたりいろんないじめに遭ったの」
やはりモテる女子と言うのは他の女子から羨ましがられたり時には恨まれたりと大変らしいそれに魅色の場合大人数の女子達を敵に回したためその分いじめがエスカレートして行くのは想像はついた。
だが俺は突然目の前に光が現れ黒い世界を浮遊し異世界へと転移したわけだが、俺以外に
転移してきた日本人がどのような感じで異世界へと転移してきたのかが知りたかったからだ。
「魅色はどんな風にしてこの世界に来たんだ?」
「まあいろいろあったんだけどね。簡単に話すと私はその学校でのいじめに耐えられなくなって近くの廃ビルの上から飛び降りたの
飛び降りる時次こそはいい世界に巡り会えますようにって願ってその後は...たぶん気を失ったと思う。そして気づいたらこの世界に転移してたってわけなんだよ。」
俺はその悲劇の話を聞き、自分が空気が読めずに魅色に恐らく思い出したくはない過去を聞いてしまった。その事を謝るべく
「ごめん俺よくない事聞いちゃったな」
「いいんだよ!おかけでなんか私もスッキリしちゃった。今度は違う事でスッキリしちゃう?」
魅色はニヤニヤしながら誘惑してきた。
さっきまでの親密な雰囲気から、なに意味深なスッキリしちゃうとか聞いちゃってるんですか!?魅色さん!
魅色は俺の胸へと抱きついてきた
そのミサエラさんにも引けをとらない大きな胸を当ててくる。絶対確信犯だろ!と俺は思いつつ必死に耐えていた。
俺が耐え続ける間にもどんどん胸を当ててくる当ててくる魅色。しかし俺は考えている事があった。別に変な事を考えてるとかそういう訳ではななくて!。
「魅色の日本での事情に比べれば俺が卒業式で祝う仲間がいないっていうぐらい本当にどうでもいい事だよな....」
そう考えていると自然に魅色を抱きしめたい気持ちになった。好きとかではなくただ単に可哀想に思ったからだ。
俺は反射的に魅色を抱きしめたただ純粋に日本での話を聞いてなんか虚しくなったから
魅色はいきなり俺に抱きしめら動揺してるかと思いきや目を輝かせ
「ついに優雅くんナギサちゃんから私に乗り換えたんだね!」
「別に俺はただなんか魅色の話を聞いて抱きしめて魅色を安心させたい。的な事を思っただけで...」
それを聞いた魅色は普段見せない優しい笑顔で口元を少し緩ませ
「分かってるよありがとう優雅くん」
「あといつまで私を抱きしめてるの?やっぱりナギサちゃんより私を、、」
俺はすぐさま魅色から手を離し後ろへと座った。まさか俺が抱きしめるなんて大胆な事をするとは思わなかった。しかしなぜ魅色はナギサの事を諦めて私にしたの?といっていたのだろう?
「なんでナギサの名前が出てきたんだ?」
「だって私てっきり優雅くんナギサちゃんの事が好きかと思って。」
俺がナギサの事が好き?確かに可愛いと思う時は稀に本当にごく稀にあるが好きだとは思わない俺は魅色の誤解を解くため
「俺がナギサを好き?そんな事ある訳ないって!俺ツンデレは好きじゃないから笑」
「なーんだ違うのか!」
どうやら魅色の誤解は解けたようだ。しかし俺は魅色の部屋の時計を見て時刻がもう1時を回っている事に気が付いた。
「じゃあ俺そろそろ寝るなおやすみ」
「うん!いろいろありがとね!おやすみ」
俺は魅色の部屋からおやすみを言って退出した。
魅色はベットに座ると
「優雅くんナギサちゃんの事好きじゃないんだ。まあ安心したけどとりあえず今はまだ。って感じかな?」
そして魅色は部屋の明かりを消し
ベットに横たわった。そして夜は明けていった。




