↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
刃物嫌いな僕は【防刃服】着て【ゴブリン】相手に無双した体験が忘れられなかった  作者: 金銅才狸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
6/17

6か、第五王女



 第五王女騎士団と名乗る人達と合流した。

 騎士団は粗末な拠点を築いてて

 そこに立て籠もっている。


 僕と騎士団は、お互いに軽く現状を報告しあったが……


 互いに得られるものがあったかと言うと

 かなり怪しかった。


 僕の詳しい事情は説明しなかったし……


 異界とか次元を切り裂くとか、説明できないし、信じてくれないだろうし。


 騎士団はゴブリンに追い込まれていて、

 僕は彼らの助けにならず。


 彼らも現状の僕の助けになりそうも無い。


 敵で無いだけマシ程度。

 そんな出会い。


「ところで、その手に持っている金属は何でしょうか?」


 騎士の目は僕の手の桃缶にむけられていた

 金属だし武器とでも思われたかな?


「桃缶です。料理の途中だったから……」

「桃缶? 桃缶とは……?」

「缶詰を知らない?」

「はい」


(桃缶を知らない?)


「え〜っと簡単に言うと果物の非常食です。金属の容器の中に保存食が入ってます」

「非常食を持ってゴブリンから逃げたと?」


 ちょっと違うけどね。

 まぁいいや。


「だいたいそんな感じです」

「果物なら、譲って貰えませんか? 食料を持った部隊ともはぐれ。王女に満足な食事を提供できず……」

「かまいませんよ」


 と僕は桃缶を差し出した。

 正直、甘い物は苦手だ。


 それに少し喉が乾いていて、とても甘ったるい桃缶など食べる気分にならなかった。


 僕は桃缶のかわりと言うわけではないが騎士団から水と急速場所を貰った。


 水を飲み適当な場所に座って周囲を観察。


 騎士は四苦八苦して桃缶を開けていた。

 缶切り要らないタイプだけども

 開けるのに苦戦してた。


(缶詰を開けるのになれてないな。

 この世界には桃缶も缶詰も無いんだ)


 騎士は桃缶を持って何処かへ向かう。


 よく見ると、近くの大きな岩と岩の間に人の通れる大きさの裂け目があった。


 その先に騎士は歩いていった。


 たぶん、あの先に第五王女がいるのだろう

 1箇所しか出入り口の無い岩の裂け目。

 その奥を本陣に見立ててる?


 入り口を一箇所に限定して守りを固める。 それで王女の護衛をしているのだろうか?


(ゴブリンの襲撃を、そこまで警戒していると言う事か? そんなに、あのチビゴブリンが脅威だとは思えないんだけども)


 とか思っていたら。

 その岩の裂け目から……


「なんじゃコレは〜!」

「スイマセン。お口にあいませんでした?」

「ちが〜う。美味い。うますぎる。なんじゃコレは〜」


 騒がしい。

 どうやら王女が桃缶を食べた様だ。


(桃缶美味いよな。

 僕は甘いの苦手だけども……


 初めて食べたら、そりゃ衝撃うけるよ。

 この世界には桃缶無いどころか、桃すら無い可能性が有るんだから特に)


 大きな岩の裂け目から可愛らしい小さな女の子が出てきた。


 十歳くらいかな?


 金髪、青い目。

 やたら目を引く白い衣装。


 この子は将来美人さんになるぞ。

 そんな子供が……


「お主がこの果物を妾に献上した者か?」

「はぁ。そうですが……」


 何だかチビっ子から偉そうに聞かれた。


「褒美をとらす。なんでも好きなものを言うと良い」

「と言われてもね」


 褒美も何も、何を貰って良いのやら?


 そもそも騎士団の言うとおりなら、この王女の現状、相当マズイ。


 つみ将棋なら、もうつまれる寸前だ。


(褒美を渡す余裕も無いんじゃ?)


 いや、それ以上に、たぶん小学生高学年くらいの女の子から褒美を貰うって……


 法律的倫理的になんか抵抗がある。


「目上の者が褒美を与えるのは当然の事」

「目上って?」


(明らかに年下の子供が僕よりも目上?)


 王女とか言っていたし、

 この世界には王制があるようだ。


 日本じゃ子供の階級は年齢で決まるが、この世界では身分で決まるのだろうか?


(身分制度って結構やべぇ〜。)

 

 この世界に産まれていたら、こんなちっこい小学生に仕えたり敬語を使わなきゃならない事もあるのか?


 洒落にならんな。

 子供に従うとか嫌すぎる。


「さぁ。望みをもうしてみよ。そして……あの甘い果物はなんじゃ? 初めての味じゃった」

「アレは桃です。桃の糖蜜ヅケ。病気の人とかに良く与える食べ物です」

「桃か、そうか。美味かったゾ」


 と、小さな女の子は、くったくの無い素敵な笑顔で笑った。


 その笑顔はとても素敵。

 カリスマにみちてると言うか?


(前言撤回。なるほど、コレが王族か。魅力が半端ない。コレなら騎士団が付き従うわけだ)


 一瞬で人の心を奪うカリスマ。

 まるで人気芸人やアイドルの様な華やかさ

 

 恋人どころか友達もいない僕の誇る、人間を寄せ付けないスキル【ボッチ結界】を容易く破られた。


 なんと言うか……


 僕がこの子くらいの年齢の時に刃物で刺されて以来、初めて僕は人に対して警戒心を解いた。


 だからつい……口がすべった


「褒美ですが……」

「何でも言うと良い。妾の命は風前の灯なのじゃ。最後に美味いものを食べれたお礼に、出来るだけ叶えてあげようぞ」


(ちょっ……)


「重い。発言が重過ぎて、願いを言うどころじゃ無い!」


(なぜ十才ぐらいの可愛らしい子供が死を覚悟してるのだ???

 頭がおかしいのだろうか?)


「発言が重いと言われても事実じゃしなぁ。

 妾はゴブリンに捕まる寸前じゃ」

「……」


 やっぱり発言が重い。


(コレが王族の重みと言うやつか?)


 なんか違うか?


「あぁ。こんな時。ゴブリンの指揮官を討ち取ってくれる勇者が現れてくれれば、妾はその者の所に嫁いでも良いのに……」


 十歳くらいの王女は真っ直ぐ僕の目を見て断言した。


 ソレは力強い言葉でキレイな瞳で……


「僕が褒美を貰うって話だったのに……」

「そうじゃな」


 肯定された。


「いつの間にか、僕が王女からゴブリンボスを倒せと【無茶なお願い】をされているのはなぜでしょう?」


(不思議だ)


「そうしてくれれば、ご褒美に私を差し上げますよ」


 綺麗な声が僕の脳天を穿いた。


 急に丁寧な口調で無邪気に笑う子供。

 スゲえ。

 声まで高貴に変えやがった。


(なる程。コレが王族か? 

 やっぱり僕が思ってた王族と何かが違う)


 断固断ろうと抗議仕様としたが……

 僕が何かいうよりも速く騎士が……


「駄目ですよ。そのような事を軽々しく言ってはいけません姫」

「良いのじゃ。どうせ、このままゴブリンに殺されるのならば、その前に婚約の一つもしてみたいのじゃ。妾も女の子じゃからなぁ」


 遠い目をする小さな王女。

 突然小さな女の子の口から飛び出した婚約者発言。


 さらにそれを超える爆弾発言が王女の口から飛び出した。


(やっぱ重い。おもすぎる

 てか……倒せってか?

 僕にゴブリンの親玉倒して来いってか?

 この子何?

 何言ってるの〜?)


 初対面の僕にボスを倒して来いと???


 王女の無邪気な無茶振りにドン引きした。

 僕も騎士団も王女に振り回されている。


 そもそも僕は、こんな王女いらん。


 僕には恋人も友達もいない。


 そんな僕に、こんな婚約者が出来てみろ。

 ロリコンと言われるの確定だろうが!


 既にボッチでトラウマ抱えた僕に……

 まだ更に重い十字架を背負えと言うのか?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。