4え、ゴブリン
ゴブリンに遭遇してテンパった僕はゴブリンに刺された。
でも【防刃服】に包まれた僕は無傷。
余裕を持った僕。
僕は精神的にゴブリンを凌駕した。
僕はゴブリンを蹴っ飛ばした。
蹴っ飛ばしたゴブリンは面白いくらいに飛んだ。
軽く五メートル以上は吹っ飛んだ!
「なんでだ?」
理由はよく分からないがゴブリンは五メートルくらい飛んで動かなくなる。
生死はわからないが……
「まぁ……良いか。」
ここは異界だ。
不思議な事もおこるさと軽く考えた。
僕は倒したゴブリンに近づく事を止める。
詳しく調べるべきカモ知れなかった。
しかし……奴は何だかキモかったし……
遠くに煙が上がっているのが見えたから
煙が上がっていると言う事は、誰かが焚き火か何かをしていると言う事で……
人がいるかも知れない。
焚き火をしてるゴブリンが居るかもだけども、その時はその時だった。
「ま、ゴブリン弱いし」
1匹倒して気が大きくなって
僕はゴブリンを舐めた。
煙の上がってる場所へ向かう途中で何匹かのゴブリンに出会ったが、やっぱり簡単に蹴飛ばしたら吹っ飛んで動かなくなった。
僕の脚力が強くなってるのか?
とも思ったけども、他のモノを蹴ってもいつもどおり。
(単純にゴブリンは蹴るとぶっ飛ぶ生き物)
そう思うことにした。
「何だアレ?」
煙の上がってる場所。
そこへ向かう途中。
森が開けた平地に異常な光景が見える。
そこに異様な光景が広がっていた。
平地には沢山の人影。
旗やテントなんかも見える。
(集落? とりあえず寄ってみるか)
近づくと、それはゴブリンの集団。
ボスゴブリンでもいるんじゃないか?
と疑うレベルの大勢のゴブリン集団。
(ゴブリンの軍隊だろうか? 本格的に不味いかも。そろそろ帰るか?)
僕は刃物で次元を切り裂き、ここに来た。
ならば同じ方法で元の世界へ帰れるはずだ
今までは物見遊山で探検してたが、ゴブリンの大群を見かけて恐怖心が湧いた。
数百体?
もしくは数千体?
ゴブリンの数に底が見えない。
1匹1匹は弱いとはいえ、アレだけ群れると
流石にビビる。
「サッサと帰ろうか?
興味があれば、また来れば良いし。」
とか言ってたら、突然現れたゴブリンと目があった。
「……!」
「……」
「……」
向こうも驚いている。
「オマエも驚いたかも知れないが、コッチだって驚いているのだからな!」
とりあえずゴブリンに文句言っておいた。
見回りでもしていたのか?
数匹のゴブリンに気が付かれた。
あっという間に取り囲まれる。
ドカ。
とりあえず一匹蹴っ飛ばしたら、やっぱりポーンと景気良くゴブリンは飛んでいった。
特に今回のゴブリンはよく飛んだ。
まるで……
ゴルフでゴルフボールが飛ぶ様に……
「ナイスショット。 げっ!」
思わず調子に乗ってゴブリン数匹蹴飛ばしていたら、ゴブリンの仲間がワラワラ集まってくる。
今度は十を超える数。
(ヤバイ。数で取り囲まれたら)
ナイスを持ったゴブリンがワラワラ駆けつけてくる。
数が増えると怖さも増える。
恐怖を感じて三十六計略走って逃げる。
いざとなったら次元を切り裂いて逃げようとおもったが……
「あ、しまった。刃物が無い」
刃物は怖くて捨てた。
刃物が無きゃ次元を切り裂いて帰れない。
(ゴブリンから奪うか?)
とゴブリンを確認しようと後ろを振り向く
すると……
僕を追いかけていたゴブリン達
遥か後ろにいた。
「あれ? ゴブリン脚遅い。そうか。小さいから無理も無いか?」
小さいゴブリンは脚力も弱いようだ。
軽々と逃げ切れる。
フィジカル差ってエグかった。
走れば確実に逃げ切れる。
「コレならゴブリンは脅威ではないな。」
僕は安心した。
完全にゴブリンを振り切ってから、当初の予定どおりに煙の上がってるほうへ向かっていると……
今度こそ人影が見えた。
「人間……か?」
僕がつぶやくと
「誰だ!」
鋭い声が帰ってきた。
ガチャガチャという鎧の音。
それに釣られてワラワラと人間?
らしき人影が数人。
人間と断定出来ないのは、全員が全身を金属鎧でつつんでいるからだった。
フルプレートメイルと言うのか?
全身を頭まで銀色の金属鎧で覆った集団。
めっちゃ怪しい。
全身隠れるほど防具を着込むとか変質者以外の何者でもない。
……そういえば全身を【防刃グッズ】で包んでた自分の姿を思い出す。
僕って客観的に見たら怪しい奴だったんだ
僕に恋人も友達もいない理由がわかった。
全身を覆うフル装備。
あんな見た目の奴と友達になんてなれない
全身鎧の集団を見て感じた不信感やらなんやらかんやら。
それは、全て【防刃服】で身を固め過ぎてた自分へのブーメランとなって僕の心に突き刺さる。
今までわからなかった。
が、今わかった。
僕は【防刃服】を愛しすぎた不審者だ。
人のふり見て、我がふりなおせ。
僕は決意を固める。
やっぱり全身を隠す服は怪しくてダメだ
人間は他人を見てダサいと感じると、自分のファッションを見直す生き物だ。
『ちゃららら、ちゃっちゃっちゃ。
僕はレベルが上がった。
賢さが5上がった。
重装備や顔を隠す行為が不審者への近道と知った。
僕は自分が怪しい不審者だと自覚した。
今までの自分のファッションセンスが痛い中二病患者の物だと理解した。
僕は中二病患者だった。
僕は成長したが……
自分の今までの痛さに気が付き
死にたくなった。』
と独り言を言った。
(成長しないほうが良かったか?)
「オイ待て! 我々は不審者じゃない!」
金属鎧を着た不審者集団から思いっきり抗議されて怒られた。
僕はまた、
声に出して独り言を言ってたらしい。




