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刃物嫌いな僕は【防刃服】着て【ゴブリン】相手に無双した体験が忘れられなかった  作者: 金銅才狸


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2/17

2い、今日の僕には言葉のナイフも通らない。



 翌日

 朝起きて食事を済ませ

 学校に行こうとした僕は絶望した。


 家のドアを開けて絶望する。

 とんでもない失敗に気がついた。


 暑い。

 季節は夏。


 防刃服のフル装備をしてる今の僕は、どんな刃物で襲われても大丈夫だろう。


 しかし……とてつもなく暑い。


 冷房の効いた室内ならともかく、室外に出たとたん蒸し焼きになりそうだった。

 


 結局、暑さと安全のバランスを考えて制服の下に【防刃シャツ】【防刃ズボン】、


 それと制服の上にコートの様に【防刃服】を羽織って登校する事にした。


 他の装備は諦めたが念の為、対熊用催涙スプレーネックレスは首から下げた。


 だいぶ軽装になったが……

 それでもめちゃくちゃ暑かった。


 しかし背に腹は変えられない。

 これ以上装備を減らす訳にも……


 僕は汗をかきながら学校へ向かった。

 真夏に厚着は目立ったが。

 好奇の視線も僕の【防刃服】は穿けない




 学校

 朝のホームルーム


 クラスメイトの何人かにジロジロ見られた

 真夏の教室の中

 コートを脱がない僕


 ちょっと変な目で見られたが気にしない。

 室内は冷房も効いてるし。

 僕に親しい友達はいない。


(別にいいさ

 どうせ僕は腫れ物扱いだ。)


 しかし……教師は僕に、


「教室の中ではコートは脱ぎなさい」

「いや、それは……」


 僕のコートは【防刃服】

 ただのコートでは無い。


 これを脱ぐと防御力が、だだ下がり。

 

(ハ! まさか、この教師。

 僕を狙っているのか? 

 だから僕の防御力を下げようと?


 そんな訳はない。)


 自分で自分に突っ込む


「みんな通学中はともかく、校舎内ではコートをぬいでるのだから。

 協調性と空気をよみなさい」


 と教師に言われた。


 コートを脱ぐも何も、真夏にコートを着ているのは僕だけだから説得力もない。


『なんてこった。

 コレから40人が刃物を持つ、恐怖の【調理実習】に向かわなければならないのに……

 サド教師は僕に死ねと言うのか?』


 そう言いかけて、


『実際に口に出すと頭のおかしい奴だと思われるから止めた。』


 そのくらいは僕にもわかるので

 口に出すのを止めた。

 

『大丈夫。

 【厚手の防刃コート】プランAは失敗したが、念の為に制服の下にもプランBの【薄手の防刃シャツ】も、ちゃんと着ている。


 コレなら邪悪な教師やクラスメイト達が包丁を装備してても怖く無い。』


 僕は頭の中で独り言を呟くと。


「貴方ねぇ。クラスメイトを邪悪とか言っては駄目よ」


 何故か教師に僕の【脳内会議】を読まれて注意された。


「え!」

「刃物が怖いのは仕方が無いとしても、人として最低限の気遣いはしないと。あと私はサド教師ではありません。」


(ば、馬鹿な!

 サド先生に心の声を読まれた。)


「な、なぜ僕の考えてる事がわかる? 

 ハッ。ま、まさかチート持ちの転生者」


 僕は教師を、まじまじ見つめる。


 まさか、こんな身近に僕以外にもチート持ち異能力者がいようとは……


「そだよ〜。先生は転生者だよ〜。って違うわよ。貴方は心の声を全部声に出してたの」

「な……」


 独り言を口に出していた?


(しまった何という不覚(みす)。)


「貴方隠してるつもりだろうけど、結構いつも心の声を独り言で声にだしてるから」


 教師から衝撃の1言。


 クラスメイト何人かも『うんうん』と教師の言葉を肯定する様にうなずいてる。


「な、なんだって〜」


(マジカ?

 中二病全開の僕の心の声が〜〜

 口に出てたと?

 それじゃあ僕、痛い奴じゃん。)


 結構痛い事を考えてる自覚がある。


「だからクラスメイトにハブられ気味なのよ。注意しなさい」

「……はい」


 教師に怒られたが……それよりも……


(そうか、そうだったのか。)


 僕に友達が出来ない謎が解けた。


 自分の痛い独り言が他人に聞かれてた?

 それならクラスメイト達から僕が嫌われても、避けられても仕方ない。


 僕は兄の1件以来、性格がひねくれた。


 結構エグい事を考えている自覚がある。

 ソレを口に出していたとは……


(コレから注意しよう。)


「それから先生は昔、学校に通ってた女子高校生だった事があるの」

「???」


(何を当たり前の事を言ってんだろ?

  この教師?)


 話が飛んで見えない。


「つまり先生は、学校を一度卒業して、学校に帰ってきた。ある意味チート学校転生者。

 貴方達生徒の考える事など、お見通しよ。ほほほ〜」


 教師は不気味に勝ち誇って笑う。


『何言ってんだ? この教師? 頭がおかしいのかな?』


 と心の中で思った。


「だ〜か〜ら〜。アナタ心の暴言を口に出してるわよ。先生の頭が可笑しいって何よ?」


 僕と教師のやりとり

 クスクスとクラスメイトの幾人かが笑う。


「チート学校転生者って……つまり先生は消費期限切れた女子高生って事?」


 僕がそう聞いたら……


「先生消費期限きれてたの?」

「女教師って腐った女子高生って事でOK?」


 クラスメイト達が話に加わる。

 さっきと違い、僕の話にのっかりケラケラ笑い始めた。


「ふざけないで!」


 消費期限切れと言われた消費期限のキレた教師が、キレた。


 なにやら、しこたま怒りだす。


「せめて消費期限期限じゃなくて、賞味期限にして。いや、ヤッパリそれも駄目」

 とか怒られた。


 クラスメイト全員怒られた。

 が、特に僕が怒られた。


『僕が悪いのか?』


「生徒40人に刃物ヲ装備させる、消費期限切れた教師の方が悪いに決まっているのに…」


 理不尽だ。


「だから独り言が漏れてるって」

「コレは僕の偽らざる本心で、わざと口にだしました」

「なお悪い」


 女教師に怒られたが平気だ。


 今日の僕は制服の下に【防刃服】をいつもよりも厚めにガッツリ装備してるから。


 これだけ防御力が高ければ

 今日の僕には言葉のナイフも通らない。




 

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