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刃物嫌いな僕は【防刃服】着て【ゴブリン】相手に無双した体験が忘れられなかった  作者: 金銅才狸


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15/17

15、王様



 ゴブリンジェネラルを倒した。

 ゴブリン軍の連携は大きく乱れたが

 かと言って全軍退却とまでは行かなかった


 せいぜいがゴブリン全軍大混乱。

 僕はその中を、ゆうゆうと歩いた。


 向かってくるゴブリンは蹴散らした。


 【ゴブリンジェネラルの杖】

 譲られた杖を試す……

 ゴブリンを殴ったり火球を飛ばしてみたり

 



 

 途中騎士団と合流。

 何やかんやあったが王城へ

 騎士団についていきました



 

【王城と褒美と罰と……】

□■□■□■

 

 

 城に連れて行かれた。

 ズラーと偉そうな人達がいる中へ


 王座に座った王様から



「王女を救ってくれた事に礼を言う。褒美を取らせよう」


 ズッシリとした重さの袋を渡される。


「重い!」

「王女を助けてくれたとりあえずの礼だ。心の底から感謝している」

「僕は当然の事をしたまでで……」


 僕が謙遜すると……


「が、それはそれとして婚約は認めん。ワシの可愛い末娘と勝手に婚約など許さん。……ぶち殺すぞ貴様!」


 王様。

 最初は穏やかに、最後は大声で吠えた。

 僕は殺害予告を受けた。


(良い事したはずなのにね。

 王様、コイツ……子煩悩だなぁ。)


 そんな感想しか持てなかった。

 怒られても怖くない。

 全く効かないな。

 何せ修羅場をくぐったからね。


 それに予測もしていた。


 普通に考えて、何処の国に

 であったばかりの庶民と王家の王女との婚約を認める国がある?


 僕も別にお子様ランチな第五王女を愛してる訳でもない。


 僕はロリコンでは無いのだ。


「王様。落ち着いて」

「父上。婚約は私が決めた事です」

「許さん許さん許さん! ぜ〜ったいに許さん。娘達はパパと結婚すると言ったじゃあ無いか!」


(……駄目だコノ王様)


 そこには王様と言うよりも子離れ出来てない父親が玉座で駄々をこねる姿があった。


「王様。落ち着いてください」


 片眼鏡をかけた、いかにも切れ者ですってクールなオッサンが王様を諌める。


(大臣か? 軍師か?)


「ふう、ふう。すまんかった。かっとなった。とりあえず婚約は保留じゃ。お互いに何も知らん仲じゃろ?」

「まぁ確かに」


 と俺は同意した。

 おたがいに何も知らんのは、確かにそうだ


 別に王女の婚約者になりたい訳でもない。

 僕は気持ち的に達観していた。

 満足していたから……


 正直に言えば僕にとっての最大の報酬

 それはゴブリンジェネラルとの戦闘。

 あの戦いは良かったなぁ〜。


 僕はやり切った。

 自分の、ほぼ全てを出し切った。

 そして成長した。


 その満足感に比べたら報酬など……

 僕は満たされ余裕がある。


 王様のワガママを受け流せる程に

 僕の余裕を肯定と受けた王様は……


「じゃろ。保留じゃ。保留」

「では、王様。その件は後回しとして、第五王女を見捨てて逃げた、第五王女の親衛隊や騎士達への罰はどうしますか?」


 これ以上王様を刺激しても、建設的な事は何も無いと言わんばかりに……

 片眼鏡の切れ者さんが話を変える。

 

「死刑に決まっとるじゃろうが!」


 王様が再び吠えた。


『ひっ……!』


 玉座の間。

 王様と

 第五王女と

 貴族らしき数人の人達と

 俺

 護衛の兵士達


 その他に十人以上の女性達が、武器も持たずに、かたまって連れてこられていた。

 誰かと思っていたが?

 

(そうか、第五王女を見捨てて逃げた騎士団と親衛隊のメンバーだったか)


 騎士も親衛隊も兜付きのフル装備だった。

 顔は見えなかった


 ゴブリンの群れに襲われていた時。

 第五王女は少数の騎士団と一人の親衛隊に守られていた。


 他の親衛隊八人とはぐれたと言ってた。

 狼煙で、はぐれた親衛隊を集めようとしていたが、うまくいかなかった。


 第五王女の親衛隊と騎士には逃げ出してたメンバーがいたんだな。


 それがコレから裁かれると。

 娘の命の恩人である僕にすら、


 『勝手に婚約するな。認めん。

 ……ブチ殺すぞ』

 

 と吠える【親バカな王様】の手で……

 王女を見捨てた者達が裁かれる?


 ヤバくないか???


「死刑じゃ。死刑じゃ」

 と王様が騒ぐ。


(だろうなぁ。言うと思った)


「しかし……王よ。逃げた親衛隊の中には貴族の子女が多く」

「死刑じゃ、死刑じゃ」


 身内や知り合いがいるのだろうか?

 貴族達は親衛隊をかばう。

 王様は死刑と喚く。


 頭に血が登った王には、貴族の口添えも効果が無いようだ。


「王。貴族の子女には罰金をかしてはどうでしょうか?」

「死刑じゃ。死刑じゃ」


 切れ者さんの提案にも、王様は『死刑じゃ』を繰り返す。


 その場の王様以外の人達は明らかに焦って慌てていた。


(貴族同士の連帯とか、かばい合う心?

 そんなのかな?)


 特に裁かれる逃げだした親衛隊達は、まさか死刑になるとは思わなかったのか?


 一様にガタガタと震えだす。


 第五王女の親衛隊と騎士団メンバーは女性で構成されている様だ。


 大抵が若い女の子だった。


(あの年で死刑? 可愛そ)


 おそらくは、第五王女の話し相手や友人を作ってあげたいと言う思い……


 悪い虫を第五王女に近づけさせない様。

 女性だけで第五王女騎士と親衛隊をつくったのだろうなぁ。


 親バカな王様の取り計らいだろうか?

 と【悪い虫】認定された僕は思った。


(若い女の子が多いならば、ゴブリンの群れに怖くなって逃げ出しても仕方が無いか)


 ゴブリンは子供には強いそうだから


「なぁ。王様」


 俺は『死刑じゃ。死刑じゃ』と騒ぎ続ける王様に話しかける。


「何じゃ? お主もワシの娘を口説いた罪で死刑じゃ。コレは罪が重いぞ」


 コイツ……この王様ホントに……


「冗談はともかくさ、王様。その娘達、どうせ殺すなら俺にくれよ」

「!!!」

「!!!」

「!!!」

『!!!』


 俺の言葉に皆が驚く。


「可愛そうじゃないか。殺すくらいなら俺に全員くれ。」

「何を言う貴様?」


「俺さ。コッチに知り合い、一人もいね〜んだわ。話し相手とか、道案内とか情報源とか部下とかに人手が欲しいんだわ」


(まぁ向こうにも友人も恋人もいないボッチなんだが……)


 だから空気読まずこんな提案も出来る

 俺が言うと、そくざに王様が!


「駄目じゃ。娘を見捨てた奴等は死刑じゃ」

「王よ」

「そこを何とか」


 貴族達が仲裁にはいる。


「娘を口説くオマエも死刑にしたい。そのオマエの願いを叶えて、なんかやるものか!」


(コイツ!

 この親バカ王!)


 このままじゃ娘可愛さに大量虐殺やらかす


 そうなれば、虐殺された親衛隊や騎士団の家族。

 その怒りのヘイトは第五王女にも向くことが王には理解できていない。


「おい。ケチケチ王様。王女を助けた俺への褒美が足りないぞ」

「何じゃと! ワシがケチじゃと?」


 ケチと言われて王様の頭に青筋が浮かぶ


「あぁケチくさい。これくらいの、はした金しか、オマエの娘には価値が無いのか?」

「なにぃ?」


 僕はズッシリ重い金の詰まった袋をふる。

 たぶん大金入ってる。

 でも知らん。

 王様を煽りたいだけだった。


 僕が王様を煽る。

 すると

 王様が目を向いた。


 が気にせず……


「褒美の追加をくれよ。死刑になるくらいなら、そこの親衛隊も騎士も全部、俺にくれよ。ケチケチせずに全員俺の部下にくれ」

「ふざけるなよキサマ」


 煽られて怒る王。

 すると切れ者さんが王様に近づいて……小声でコソコソ


『王よ。親衛隊は全員が年頃の娘です』

『だから何じゃ?』

『あの第五王女の婚約者は、キット手を出しますぞ。浮気されれば第五王女は怒って婚約破棄を言い出します』


(聞こえてるそ片眼鏡。オマエは僕を何だと思ってやがる?)


『!!! そ、そうか名案じゃ。流石はワシの懐刀。よく進言してくれた』

『恐縮です。これで死人を出さずにすむ』


 片眼鏡は綺麗なお辞儀をする。


『じゃが奴がロリコンじゃったらどうする? 儂の末娘に言い寄る幼児性愛者じゃぞ』

『親衛隊にも騎士にも子供はいます』


 片眼鏡の、その言葉で王が動いた。


「良し。馬の骨。お主の願いをかなえてやろう。条件付きで褒美に、そこの者達をやる」


(馬の骨って僕の事か? えらく嫌われた)


「条件とは?」

「お主に対しての条件じゃない。元第五王女の親衛隊ども、お主等は今から『馬の骨騎士団』のメンバーに任じる」


 と王様。


「馬の骨っていうのは僕の事かなぁ?」

「そうじゃ。お主は『馬の骨騎士団』の団長に任じる騎士爵位もやるぞ」


(騎士爵位ってなんだ?)

 聞き覚えの無い言葉。


「王よ。騎士爵位は騎士団の団長には身分が低すぎでは?」

「王女を見捨てた団員で構成される格の低い『馬の骨騎士団』じゃ。団長が騎士爵位でも構わんじゃろうが」

「……はぁ。」


 と王様と切れ者。


「第五王女を見捨てた騎士と親衛隊共『馬の骨騎士団』に入るのが嫌なら死刑じゃ。好きな方を選べ」


 王様が言うと


『騎士団に入ります』

 と元第五王女親衛隊と騎士が口々に言う


「そうかそうか。しかし……許したわけじゃ無いからの。

 『馬の骨騎士団』員には追って密命を下す。心して待て」

「王よ。密命とは?」


 片眼鏡切れ者さんが王に聞く

 すると王には小声で……


『お主の案じゃ。馬の骨と浮気させる。出来なきゃ死刑じゃと『馬の骨騎士団』員に言い含める』

『王よ。そこまでやりますか?』

『当然じゃ。娘の為じゃ。当然じゃろ?』


(聴こえてるんだけどな〜)


 僕は……何気なく手にしたゴブリンジェネラルの杖を眺めた。


 この杖。

 持つ者の力を増幅する効果があるみたいだ

 体力も五感も飛躍的に鋭くなってる。

 だから耳が強化された僕は王様と切れ者さんの内緒話も聞き取れた。


(しっかし、騎士爵位ってなんだろう? 騎士団長ってなんだろう?)


 それって美味しいの?



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