11さ、ゴブリンジェネラル
巨大なゴブリンはゴブリンジェネラル。
身体は僕より縦に一周り以上デカイ。
横は2周り以上デカイ。
名前は自分でそう名乗った。
「くっ剣の腕は俺と互角。か?」
「オタガイ、剣ナド持ッテ無イダロウ?」
軽く戦闘したあと
カタコトの言葉でゴブリンジェネラルが俺を見てニヤリと嗤う。
確かにな。
実は僕の武器は第五王女に借りた剣だが、刃物が怖いので鞘をつけたまま。
一見すれば細い棍棒に見える。
いわゆる【仕込み杖】だな。
一方でゴブリンジェネラルの武器は頑丈そうな木の棒?
それとも……杖か?
だが、それより何より
「ゴブリンが喋った!」
「ナニヲ驚ク。人モ賢いイ者ハ知恵モ地位モ高クナるダロウ? ゴブリンも『ジェネラル』クラスにナレバ人の言葉クラいワカル」
(理屈はとおってる。か?)
「……なる程」
どうやら僕ゴブリンと言う種を舐めてた。
思ったよりも賢い。
つまりは手強いかも知れない。
しかし……相手の武器は木製の杖だ。
頑丈そうな杖。
でも僕にとって、刃物以外の物は恐怖の対象にならない。
つまり、この相手に僕は恐怖しない。
僕は十分な余裕を持って、ゴブリンジェネラル相手に、ニヤリと笑いかけた。
そんな僕に……
「ダガ、確カニ剣ノ腕デハ互角。のヨウダ。ナカナカヤルナ」
ゴブリンジェネラルも嬉しそうに嗤った。
「僕はこの戦いでゴブリンを軽く百以上は仕留めている。その僕と互角とは、そちらもナカナカやるじゃ無いか」
褒められたから相手を褒め返した。
礼儀だ。
例え相手がゴブリンだとしても
最低限の礼儀は尽くす。
僕は昔、兄に酷く無礼な態度をとった事がある。そのせいで兄は激怒。
そのまま兄に刃物で刺された。
僕は病院送り。
兄は少年院か異界送り。
どこに行ったか僕は知らない。
親は教えてくれない。
僕は実質的に、その日から兄を失った。
その日までは最愛の兄だったのに……
もう僕は兄を兄とは思わない。
それ以来、刃物が怖い。
刃物に恐怖するようになった。
礼儀は守る性格になった。
あの時、俺が無礼な態度をとらなければ
兄に刺されることも無かったはずだから。
礼儀は大切だ。
わざわざ余計な敵を作る必要は無い。
それに……
ゴブリンジェネラルも案外、礼儀正しい。
僕よりもゴブリンジェネラルのほうが礼儀正しい。
そんなふうに言われるのは人類として絶対に嫌だった。
(ゴブリンには戦闘でも礼儀でも、負ける訳にはいかない)
人間だもん




