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十九
奈緒には、この記録を見せません。
彼女は、桐谷の死について、私より多くを知っているかもしれません。
あるいは、何も知らないかもしれません。
私は尋ねませんでした。
尋ねれば、彼女の答えを、また自分の罪を説明する材料にすると思ったからです。
奈緒は、私が毎月墓へ行く理由を知っています。
しかし、私が墓の前で何を考えているかは知りません。
私自身も知りません。
許してほしいのか。
忘れていないと示したいのか。
自分が苦しんでいることを確認したいのか。
桐谷の死を、自分の人生の中心に置き続けたいのか。
墓参りさえ、私のための行為かもしれません。
奈緒が花代を渡そうとするたび、私は拒みました。
彼女まで墓へ近づけば、桐谷の死が私たち二人のものになる気がしたからです。
私は、一人で罪を負っているつもりでした。
実際には、一人で所有していました。




