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魔女の仕掛け絵本ーRー  作者: 蜜りんご
第2章 森の住民たち
11/13

5 ***

 頁を捲らなくても、物語は進んでいった。

 挑戦者の速度に合わせて、紙芝居のようにシーンが切り替わっていく。

 絵本の中では、エンジのブレザーがアリン姫と一緒に泉の中を覗き込んでいた。

 泉には、王子の姿が映し出されている。

 それは、少女の彼ではなく、アリン姫の王子だった。

 少女の彼は、今。

 魔女の背後にひっそりと控えている。

 最近、自我が宿り始めた魔女の美しい人形。

 絵本の王子にそっくりの美しい人形。

 魔女は人形たちのことを把握していた。

 もちろん、今回の反乱のことも知っている。

 知っていて、放置していた。

 人形の目的が何かなんて、聞くまでもなく分かっていた。

 自我があろうとなかろうと、人形が魔女の忠実な僕であることに変わりはないのだ


「今回も、いつも通りに終わりそうね。正当と邪道。二人の挑戦者が同時に現れれば、面白い変化もあったでしょうけれど。正式な挑戦者が、直前で怖気づくなんて、ね。残念だわ。でも、面白い試みだわ。次回は、もっとうまくやりましょう?」


 魔女は口元に薄っすらと笑みを乗せる。

 美しい人形は、何も答えなかった。

 魔女がそれを求めていないと分かっているからだ。

 答えるまでもないこと、でもあった。


 今回のゲームの結末は、絵本が教えてくれるまでもなく、魔女には分かっていた。

 それでも――――。

 魔女が絵本から目を離すことはなかった。


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