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戦国アウトロー  作者: 石蒜
第1章「覇王の目覚め」
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第7話「動き出す噂」

翌日の昼休み。


天馬が教室で弁当を食べていると、夢斗と海斗がやってきた。


「秋山、今日どうする?」


「何が?」


「飯だよ!」


「もう食ってるだろ」


「放課後だよ」


夢斗が笑う。


「昨日みたいに三人で行こうぜ」


海斗も机に手をついた。


「俺も賛成」


「お前ら、いつの間にそんな仲良くなったんだよ」


「昨日からだろ」


「一日しか経ってねぇぞ」


「十分だろ」


夢斗が即答する。


天馬は呆れながら弁当を食べ続けた。


そのとき、教室の前の扉が開いた。


別のクラスの男子が顔を出す。


「秋山っている?」


教室の何人かが天馬を見る。


天馬が顔を上げる。


「俺だけど」


「ちょっと来てくれ」


「何で?」


「話がある」


夢斗が立ち上がった。


「俺も行く」


「いや、秋山だけでいい」


「だったら行かせねぇ」


夢斗が睨む。


男子は少し困った顔をした。


「……別に喧嘩するわけじゃない」


海斗が口を挟む。


「じゃあ、ここで話せば?」


男子は黙った。


「……分かった」


少し間を置いて、男子は口を開いた。


「昨日のことが、他校にも広まってる」


天馬の眉が動く。


「昨日って?」


「佐久間たちと三人で、別の高校の奴らを倒したって話」


「もうそんな話になってんのかよ」


夢斗が呆れる。


「実際は三人で一人ずつ倒しただけだろ」


「噂なんてそんなもんだ」


海斗が笑う。


男子は天馬を見る。


「それで、向こうの学校の奴らがお前を探してる」


「俺を?」


「名前が広まってるからな」


「誰が広めたんだよ」


「知らない」


男子はそう言って教室を出ていった。


夢斗が腕を組む。


「面倒なことになってきたな」


「別に放っておけばいいだろ」


海斗が言う。


「向こうが来るなら、そのとき考えればいい」


天馬は黙って弁当を食べた。


「……まあな」


放課後。


三人は校門を出た。


「今日はどこ行く?」


夢斗が聞く。


「昨日の店」


「また?」


「俺はあそこ好きだぞ」


海斗が笑う。


天馬も少し笑った。


「じゃあ、行くか」


三人が歩き始める。


その途中。


海斗が足を止めた。


「……来たな」


「何が?」


天馬が前を見る。


道路の反対側。


昨日とは違う制服を着た男子が四人、立っていた。


そのうち一人がこちらへ歩いてくる。


「秋山天馬」


名前を呼ばれた。


天馬が立ち止まる。


「そうだけど」


「ちょっと付き合え」


夢斗が前へ出る。


「断ったら?」


「力ずくでも連れていく」


海斗が笑った。


「随分と強引だな」


男が海斗を見る。


「お前も昨日いた奴か」


「覚えてるなら話が早い」


海斗が拳を握る。


「俺も一緒に行くよ」


「海斗」


天馬が呼ぶ。


「何?」


「三人で行こう」


夢斗が驚いた。


「お前、行く気なのか?」


「向こうが俺を探してるんだろ」


天馬は男を見る。


「だったら、話くらい聞く」


男は少し考えた。


「分かった」


三人の仲間へ目を向ける。


「こいつらも連れてく」


夢斗が眉をひそめる。


「それ、話し合いじゃなくね?」


男は答えなかった。


四人が歩き出す。


天馬たちも後を追う。


しばらく歩いた先。


使われていない駐車場に入った。


そこで男が振り返る。


「ここなら話せる」


天馬が周囲を見る。


「それで、何の用だ?」


男が口を開く。


「俺たちの学校に、黒田と繋がりのある奴がいる」


夢斗が反応する。


「黒田と?」


「ああ」


「そいつが、お前らにやられた黒田の件を聞いた」


男は天馬を見る。


「それで、お前と話をつけろって言われた」


「誰に?」


男は少し黙った。


「……まだ名前は言えない」


海斗が一歩前へ出る。


「だったら帰るか?」


男の目が鋭くなる。


「話は終わってない」


その瞬間。


駐車場の奥から、別の声が響いた。


「俺が話す」


全員が振り返る。


暗がりから、一人の男子が歩いてくる。


男たちが道を開ける。


その人物を見た夢斗が小さく呟いた。


「……誰だ、あいつ」


天馬は黙って、その男を見つめた。


男は天馬の前まで歩いてくる。


「お前が秋山か」


「ああ」


「黒田を倒した奴」


「だから、倒したって言い方やめろって」


男は笑った。


「なるほどな」


その笑顔には、敵意があった。


「少し話そうぜ」


第7話 完

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