↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国アウトロー  作者: 石蒜
第1章「覇王の目覚め」
PR
22/84

第22話「東へ」

放課後。


天馬、夢斗、海斗、椿は校門を出た。


少し離れた場所で桐生が待っている。


「全員来たな」


「どこまで行くんですか?」


「ここから二駅先」


夢斗が顔をしかめる。


「遠っ」


「歩くとは言ってねえよ」


「ですよね」


五人は駅へ向かった。


電車を降りると、天馬たちの普段の行動範囲とは雰囲気が変わる。


駅前には制服姿の高校生が多かった。


桐生が先頭を歩く。


「こっちだ」


「先輩、何で場所知ってるんですか?」


海斗が聞く。


「前に一度来たことがある」


「喧嘩?」


夢斗が聞く。


「まあな」


「やっぱり」


しばらく歩き、商店街を抜ける。


その先に小さな高架下があった。


数人の男子生徒がたむろしている。


天馬たちを見ると、一斉に立ち上がった。


「……桐生?」


「本当に来やがった」


桐生が足を止める。


「話をしに来た」


一人が鼻で笑った。


「五人で?」


「お前らが何人いるか知らねえからな」


天馬が周囲を見る。


見えているだけで六人。


だが、奥にも人影がある。


椿が小さく呟く。


「結構いるな」


「帰る?」


夢斗が聞く。


「ここまで来て?」


「聞いただけ」


奥から男が一人歩いてきた。


天馬はその顔に見覚えがあった。


「お前……」


昨日、駅前で天馬を勧誘した男だった。


「来たか、秋山」


「名前教える気になった?」


男が少し笑う。


「まだだ」


「面倒くせえな」


周囲の男たちが天馬を睨む。


桐生が前へ出た。


「最近、東側で暴れすぎだ」


「お前には関係ない」


「俺の知り合いまでやられてる」


男の笑みが消える。


「だったら何だ?」


「やめろ」


短い言葉だった。


周囲がざわつく。


男は桐生を見てから、天馬へ視線を移す。


「秋山。お前もそれを言いに来たのか?」


「俺の周りに手を出すな」


「断ったら?」


「……分かってるだろ」


夢斗が小さく笑う。


「話し合い、終わるの早そう」


「まだ終わってない」


椿が答える。


その時だった。


高架の奥から、さらに男たちが出てくる。


一人。


二人。


三人。


海斗が数えるのをやめる。


「……多くない?」


十人を超えていた。


桐生が天馬の前へ腕を出す。


「動くな」


「でも」


「まだ向こうは殴ってきてない」


男がゆっくり前へ出る。


「ここまで来た度胸は認める」


天馬と向き合う。


「もう一度だけ聞く」


「何?」


「俺たちと組め」


「昨日断った」


「今日は条件が違う」


「どう違う?」


男は後ろにいる仲間たちを見る。


「お前一人じゃない」


視線が夢斗、海斗、椿、桐生へ移る。


「全員まとめて来い」


夢斗が目を丸くする。


「俺らも?」


「秋山の周りにいるなら同じだ」


椿が一歩前へ出た。


「勝手に一括りにするなよ」


男の目が椿へ向く。


「竜胆椿か」


椿の表情が変わった。


「……俺の名前まで知ってんのか」


「調べたからな」


一瞬、空気が張り詰める。


天馬が男を見る。


「答えは変わらない」


「そうか」


男が右手を上げた。


周囲の男たちが動く。


桐生も構える。


「秋山」


「はい」


「簡単には終わらねえぞ」


天馬は拳を握った。


「分かってます」


男の右手が下がった。


「やれ」


十人を超える男たちが、一斉に走り出した。


第22話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。