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戦国アウトロー  作者: 石蒜
第1章「覇王の目覚め」
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第2話「放課後の呼び出し」

放課後。


天馬は校門を出て、駅とは反対方向へ歩いていた。


「腹減った……」


昼休みの騒ぎで昼食をまともに食べていない。


コンビニへ向かう途中、ポケットのスマートフォンが震えた。


知らない番号からメッセージが届いている。


《東公園。来い》


天馬は画面を見つめた。


「……チッめんどくせぇ、誰だよ」


返信はしなかった。


そのまま歩き続ける。


数分後。


天馬は交差点を曲がった。


すると、前方に昼休みに殴り合った男が立っていた。


その周りには、男子が四人。


「来たな」


「お前らかよ」


天馬は立ち止まった。


男が一歩前へ出る。


「昼間は先生が来たから終わったけどよ」


「うん」


「今度は邪魔する奴はいねぇ」


「別に喧嘩したいわけじゃねぇんだけど」


「俺はしたいんだよ」


男が拳を握る。


「名前は?」


「……黒田」


「俺は秋山」


「知ってる」


黒田が笑った。


「今日は逃げんなよ」


「逃げる気はねぇよ」


天馬が鞄を地面へ置く。


その瞬間だった。


「秋山!」


道路の向こうから声がした。


振り返る。


そこに椿が立っていた。


天馬は目を細める。


「……誰?」


椿は少し驚いたように天馬を見る。


「お前、俺のこと知らないのか?」


「知らない」


「同じ学年なんだけどな」


「そうなの?」


椿が苦笑する。


「竜胆椿」


「秋山天馬」


「それは知ってる」


「じゃあ話が早いな」


黒田が割り込んだ。


「おい、そこのお前」


椿を見る。


「帰れ」


「嫌だ」


即答だった。


「何?」


「お前には関係ない」


「そうだな」


椿は黒田たちを見た。


「でも、五対一はさすがに格好悪いだろ」


黒田の顔が険しくなる。


「だったらお前も混ざるか?」


「必要なら」


天馬が椿を見る。


「お前、喧嘩できんの?」


「多少は」


「そうか」


天馬は前を向いた。


「じゃあ、後ろ頼むわ」


椿が一瞬だけ目を見開いた。


「……初対面なのに?」


「今から仲間になるわけじゃねぇよ」


天馬は拳を握った。


「ただ、背中殴られるの嫌だから」


「なるほど」


椿も一歩前へ出た。


「じゃあ、俺もそうする」


黒田が舌打ちした。


「二人まとめてやれ!」


四人が一斉に動いた。


天馬へ二人。


椿へ二人。


天馬は最初に飛び込んできた拳をかわした。


「おらっ!」


二人目の拳が迫る。


腕で受ける。


「くっ……!」


そのまま相手の腕を掴み、引き寄せる。


膝を腹へ叩き込む。


「ぐっ!」


男が身体を折る。


もう一人が横から突っ込んできた。


天馬は振り向いた。


間に合わない。


拳が頬を捉えた。


「っ……!」


身体がよろめく。


「秋山!」


椿が叫んだ。


その直後、椿の相手が殴りかかる。


椿は身体を半歩だけ引いた。


拳が目の前を通り過ぎる。


「遅い」


椿の拳が相手の腹へ入る。


男が呻く。


さらに椿は肩を掴み、勢いを利用して地面へ倒した。


「ぐあっ!」


天馬がその様子を見る。


「……やるじゃん」


「そっちもな」


「なら、こいつら早く終わらせようぜ」


天馬が再び走る。


二人の男が同時に襲いかかってくる。


一人の拳をかわす。


もう一人の腕を掴む。


「邪魔だ!」


そのまま二人をぶつける。


「ぐっ!」


二人が倒れた。


残った黒田が天馬を睨む。


「……調子乗んなよ」


「まだやるのか?」


「当然だ!」


黒田が突っ込む。


天馬も迎え撃つ。


拳と拳がぶつかった。


「っ!」


天馬の拳が弾かれる。


黒田の二発目が飛んでくる。


天馬は顔を逸らす。


拳が頬をかすめる。


「昼間より速くなってねぇか?」


「お前が遅いだけだ!」


黒田が連続して拳を放つ。


天馬は下がる。


一歩。


二歩。


三歩。


追い込まれる。


「終わりだ!」


黒田が大きく拳を振りかぶった。


その瞬間。


天馬の目つきが変わった。


拳の軌道が見えた。


身体が自然に動く。


天馬は拳をかわし、黒田の懐へ入った。


「なっ――」


腹へ拳。


黒田の身体が浮く。


「がっ……!」


そのまま地面へ倒れた。


静かになった。


天馬は自分の拳を見る。


「……今の、なんだ?」


椿も天馬を見ていた。


「今の動き……」


「何?」


「いや」


椿は言葉を止めた。


「なんでもない」


天馬は首を傾げる。


「変な奴だな、お前」


「それ、さっきも誰かに言われてなかったか?」


「知らねぇよ」


二人は顔を見合わせる。


そして、初めて少しだけ笑った。


「竜胆」


「ん?」


「今日は助かった」


「こっちも」


「じゃあな」


「また学校で」


天馬が鞄を持ち上げる。


椿も歩き出す。


まだ二人は知らない。


今日の出会いが、これから続いていく長い関係の始まりになることを。


第2話 完

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