第15話「狙われる天馬」
翌日の放課後。
天馬、夢斗、海斗の三人は校門を出た。
「今日は何も起きないよな?」
夢斗が言う。
「知らねえよ」
「最近、帰るたびに喧嘩してる気がするんだけど」
海斗が笑う。
「今日は真っすぐ帰ればいいだろ」
「それが一番だな」
三人が歩き始める。
しばらくすると、天馬が足を止めた。
「どうした?」
「……さっきからついてきてる」
夢斗と海斗が振り返る。
少し離れたところに、二人の男がいた。
視線が合う。
男たちは立ち止まった。
「バレたか」
「誰だよ」
天馬が尋ねる。
「秋山天馬だな?」
「そうだけど」
男の一人がスマートフォンを取り出した。
「見つけた」
「何してんだ?」
「連絡しただけだ」
海斗が周囲を見る。
「天馬」
「ああ」
道路の反対側から三人。
後ろからも二人。
合わせて七人が集まってくる。
夢斗が顔を引きつらせた。
「多くない?」
「昨日より増えてるな」
「冷静に言うなよ」
七人の中から、一人の男が前へ出た。
「お前が秋山天馬か」
「さっきからそればっかりだな」
男は天馬を見ながら笑う。
「俺は久我山慎吾」
「それで?」
「最近、お前の名前が邪魔なんだよ」
天馬が眉を寄せる。
「意味分かんねえ」
「東側で俺たちの仲間を何人も倒しただろ」
「向こうから喧嘩売ってきたんだけど」
「関係ねえよ」
久我山が一歩近づく。
「お前を倒せば、少しは静かになる」
夢斗が天馬の横へ並ぶ。
「七対三?」
海斗も鞄を地面へ置いた。
「今日は桐生先輩いないぞ」
「だから何だよ」
天馬も鞄を下ろした。
久我山が笑う。
「逃げないんだな」
「逃げたら追ってくるだろ」
「当たり前だ」
「じゃあ同じだろ」
天馬が拳を握る。
次の瞬間。
「やれ!」
七人が一斉に動いた。
天馬の正面から二人。
夢斗と海斗にも、それぞれ男たちが向かっていく。
「天馬!」
「自分の相手見ろ!」
拳が飛んでくる。
天馬は一発目をかわした。
だが、横から来たもう一人の拳が肩に入る。
「っ……!」
「昨日みたいに簡単にいくと思うなよ!」
さらに久我山が迫る。
三人。
天馬はゆっくり構え直した。
「……面白えじゃん」
自分でも気づかないうちに、天馬の目つきが変わっていた。
第15話 完




