第5話 世界一格闘技大会への招待【リニューアル改訂】
王都への道中、馬車はノアール王女を乗せて静かに進んでいた。
アリスは窓の外を眺めながら、ふと前世の記憶を思い返した。
ディネが肩の上で小さく声をかける。
ディネ:「どうしたの? 急に黙り込んで」
アリス:「ううん……昔のことを思い出してただけ」
ノアール王女が優しく微笑む。
ノアール:「無理しないでね、アリス」
ミクリは静かに前を向いたまま。
ミクリ:「もう少しで王都だ。気を引き締めよう」
アリスは明るく笑って誤魔化した。
アリス:「大丈夫! 王都、久しぶりだなって思ってただけ」
馬車の中で、精霊たちはいつものように賑やかだった。
サラ:「王都ってデカい城があるんだろ? 派手に暴れたいぜ!」
ディネ:「暴れるんじゃないわよ。礼儀正しくしなさい」
ノーム:「……うるさい」
サラ:「ディネ姉さんが一番うるさいだろ!」
アリス:「みんな、静かに! 王女様の前で恥ずかしいよ!」
ノアールには精霊たちの声は聞こえていない。彼女はただ、アリスが時々独り言を言うのを不思議そうに見つめていた。
王都の巨大な城壁が見えてきた頃、ディネが真剣な声を出した。
ディネ:「アリス。王女としての顔も、忘れないで」
アリス:「……わかってる」
王都の門をくぐった瞬間、アリスは背筋を伸ばし、堂々とした声で宣言した。
アリス:「私はシェラール・アリス。シエステーゼ王国王女である!」
門番たちが慌てて跪く。
王宮に着くと、国王と王后がアリスを抱きしめた。
国王:「シャル……よく帰ってきた」
王后:「もう心配で心配で……」
アリスは照れくさそうに笑った。
アリス:「ごめんなさい。冒険者として強くなりたくて……」
国王はアリスに指輪を渡した。
国王:「これは召喚の指輪だ。8大精霊の力を増幅するという……使い方はお前が探せ」
アリス:「(眉唾物っぽいけど……)ありがとうございます」
その夜、王宮の自室でアリスは指輪をはめながら呟いた。
アリス:「8大精霊……もうすぐ全員揃うのかな」
ディネ:「そうね。残りは風のシルフと月のセレネよ」
サラ:「早く集めて派手に戦おうぜ!」
ノーム:「焦るな」
ミクリは王宮の客間からアリスを訪ねてきた。
ミクリ:「王女様だったなんて……驚いたよ」
アリス:「ごめんね、隠してて。でも今は冒険者アリスとしても頑張りたいの」
ミクリ:「どっちの君も、応援するよ」
アリスは少し頰を赤らめた。
アリス:「……ありがとう」
翌朝、王国軍の作戦会議が開かれた。
北方の闇の魔王軍とエルムガンド帝国の動きに対処するため、大規模な援軍派遣が決定した。
アリスは作戦参謀として参加し、指輪を使って召喚を試みた。
アリス:「コール・Elemental Circle!」
光の魔法陣が広がるが、バハムートの召喚は大きく右にそれ、山をえぐった。
アリス:「アレ……?」
ディネ:「マナが足りないのよ。魔力だけじゃダメ」
サラ:「ははっ! アリス、外しすぎ!」
ノーム:「力任せじゃのう」
アリス:「うわあああ! みんなまたバカにしてる!」
しかし、その派手な失敗が逆に敵を威圧し、エルムガンド帝国軍は撤退を決めた。
結果オーライの勝利に、王都は沸いた。
アリスは頭を抱えながらも、笑った。
アリス:「……まあ、勝てばいいか」
ディネ:「ラッキーだったわね」
その夜、亜空間の精霊会議室では5大精霊が集まっていた。
ディネ:「次は風のシルフと月のセレネね」
サラ:「早く揃えようぜ!」
ノーム:「……面倒くさくなるぞ」
アリスはベッドで天井を見つめながら、静かに決意した。
アリス:「王女としても、冒険者としても……みんなと一緒に最強になる!」
しかし、王都の奥深くでは、黒い影が静かに蠢き始めていた。




