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最恐魔導士は、おれがお嫌い  作者: 水桜崎 有叉杜
第二章

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交代

 異世界を見れる機械の画面を見て、ユィンが「こいつか?」とゼノに尋ねる。

 ゼノの髪の長さは、元に戻っており、性別も男のものだ。


「そうだよ。入れ替えようか?」

「入れ替わる時、相手に何かメッセージは送れるか」

「お前が、そうしたいなら」


 客間で、画面を見ていたユィンは「俺の記憶も見せられるんだよな?」とゼノに確かめる。


「何か余計な事しないだろうな?」

「ゼノが優しいと伝えるだけだ」


 困ったように「止めておけよ。お節介」と返したゼノに、「お節介は、お前もだろう」とユィンが答える。


「今から教会に向かうけど、余計な事はするなよ」

「俺に不安が有るとすれば、ゼノのこれからの事だ」

「また一人に戻るだけさ。それで不便は無い」


 機械に視線を戻し、画面に映っている嘉一を見たまま、「嘉一って奴は、俺が出来なかった事をしてくれるかな」とユィンが呟く。


「お前に出来ない事なんて有ったか?」

「ゼノは、俺に何になって欲しかった?」

「心が死に掛けてる奴には伝えない」

「もう、大事な奴と会えなくなるのは、ご免なんだ」


 ユィンの方を、ちらりと見た後、ゼノが苦笑する。


「向こうの世界じゃ既に友達居るみたいだから、きっと、お前も退屈しないさ」


 ゼノが杖を構えた直後に、ユィンの口元が動いた。

 その時、「ありがとう」というユィンの声を聴いた気がしたのは、嘉一で、同時に、視界が教会の背景に変わり、景色が、ぐにゃりと曲がった後、教会の出入り口のドアが開いた音を耳にし、教会の出入り口から、こちらを睨んだ男が駆けて来るのを、彼は見た。

 次の瞬間、ゼノが杖を構えるのを止めた後、男に飛び掛かって行く。

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