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最恐魔導士は、おれがお嫌い  作者: 水桜崎 有叉杜
第七章

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移動

 ゼノの家の近所の森の中を、ルサナと嘉一が駆けている。

 嘉一が、走っているルサナに追いつき、「ルサナ!」とルサナの手首を掴む。

 ルサナは、嘉一に手を引かれ、その場で立ち止まり、嘉一を見た。


「どうしよう。ゼノ、今頃、怒ってる」

「あの捨て台詞で怒ってるの?」

「強引な人もストーカーも居たから、ゼノ、基本的に嫁に行くって冗談、嫌いなの。どうしよう……」


 風で出来た刃がルサナに飛んで来た事に気づいた嘉一が、ルサナの手首を引いて、風の刃を避ける。

 二つ目の風の刃が飛んで来て、嘉一は、ルサナと自分に風の刃が当たらないように避けた。


「ゼノ! 怒ってるの!? でも、謝らないからね!」


 ルサナは叫ぶように言い、嘉一は、ルサナの見ている方を見る。

 嘉一の視線の先で、ゼノが嘉一とルサナを睨んでいる。

 ルサナを庇うようにして、嘉一がルサナの前に出る。

 ゼノが杖を振ったと同時に、嘉一が目を閉じ、嘉一の頬を風の刃が傷つける。


「嘉一。ルサナと話がしたいだけだ。どけ」


 ルサナは、嘉一の後ろから顔を出し、「じゃあ、風を操って、切り刻もうとしないでよ!」と声を張り上げた。


「魔力が反転してる時は怒りの影響を受けて魔法の発動がしやすくなる。抑えが利かないの知ってて、俺を怒らせたお前が悪い」


 嘉一の顔の側に風の刃が飛んで来て、嘉一の髪の端が切れる。

 嘉一の懐にゼノが入って来て、ゼノが杖を振り、嘉一が空中に授華呪で、球体の中央から複数の突起が出ており、その先が鋭くなっている氷を出す。

 授華呪で出来た氷が、大きな音を立てて、割れて、地面に落ちる。

 ゼノが、嘉一を睨む。


「移動の魔法、ちょっと使っただけでも反転が長引くんだがな。仕方ねぇ」


 杖を構えたゼノが、嘉一の視界から消えた。

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