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最恐魔導士は、おれがお嫌い  作者: 水桜崎 有叉杜
第六章

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決別

 ラジアンの、人形製造施設の外で、ゼノが空中に投影した、ユィンの映像を見た嘉一は、弱弱しい声で、思った事を口に出した。


「おれが、おれじゃなくても、姉さん達も、父さんも母さんも、大丈夫なんだね……」

「みたいだねぇ」

「いいな……姉さん達と居られて……。今更、それに気づくなんて、おれって、本当馬鹿……」

「自覚出て来たか?」

「帰りたかったな……。おれに、居場所が有るなら……」

「俺、家に帰りたいんだけど、映像、消していい?」


 嘉一が、「もう少し見ていたい……」と言ったので、ゼノは「じゃあ、後二分な。俺はその後、自分の家に帰るから、お前は好きにしろよ」と返した。


「おれが馬鹿じゃなかったら、ゼノは、おれの事、好きになってくれた?」

「俺は家族以外の人を好きになった事が無いんだわ。親父の事は好きだったけど、どう、他の奴を好きになっていいのか分からない。それとも、お前が教えてくれる?」

「ゼノと友達になりたかったな……」

「無理でしょ? 俺、お前の事、嫌いだし」

「死んでも、嫌いなんだもんね……」


 黙って、日本の映像を見ている嘉一に、ゼノが「二分経ったから、もう帰るね」と、告げる。


「待って……。もう少し……」


 ゼノが、嘉一の言葉を待たずに、空中の映像を消す。


「気が変わったら呼びなよ。お前の事は喜んで殺してやる」


 ゼノが、姿を消し、嘉一は、ゼノが消えてしまった空間を、少しの間、見ていた。

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