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最恐魔導士は、おれがお嫌い  作者: 水桜崎 有叉杜
第五章

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路地裏の行き止まり

 路地裏の行き止まりで、嘉一が座り込む。


「宿の女将さん……大丈夫かな……」


 ゼノは、嘉一の言葉に杖を振り、空中に映像を呼び出す。

 嘉一が、映像の中に女将が映っているのを見て「女将さん……」と声に出した。

 女将は、食堂のイスに座って、食器の中を見つめている。

 中身は、ゼノと一緒に作ったスコーンだ。

 映像の中で「今頃、どこに居るのかしら……。もう会いに来てくれないわよね……」と、女将が寂しそうに言った。


「……女将さん……」

「もういい?」


 ゼノが、投影していた映像を消した。


「てっきり菓子も捨てると思ったんだけどね」

「迷惑掛けるから会いに行けないね……」

「賞金首次第だねぇ」

「どういう意味」


 嘉一が、ゼノに視線を移す。


「しばらくは様子見だね」

「ゼノは、何とかなると思う?」

「賞金首として狙われる事が?」

「……うん」

「どのみち、無罪放免になったら、お前となんか行動、共にしないよ」


 ゼノに断言されて、嘉一は、また俯いた。


「無罪放免……もう殺したくない……」

「そっか」

「ゼノが一緒に居てくれないなら……」

「……お前、本当馬鹿だね」


 嘉一は、映像が消えた辺りの空間を、しばらく見ていた。

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