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路地裏の行き止まり
路地裏の行き止まりで、嘉一が座り込む。
「宿の女将さん……大丈夫かな……」
ゼノは、嘉一の言葉に杖を振り、空中に映像を呼び出す。
嘉一が、映像の中に女将が映っているのを見て「女将さん……」と声に出した。
女将は、食堂のイスに座って、食器の中を見つめている。
中身は、ゼノと一緒に作ったスコーンだ。
映像の中で「今頃、どこに居るのかしら……。もう会いに来てくれないわよね……」と、女将が寂しそうに言った。
「……女将さん……」
「もういい?」
ゼノが、投影していた映像を消した。
「てっきり菓子も捨てると思ったんだけどね」
「迷惑掛けるから会いに行けないね……」
「賞金首次第だねぇ」
「どういう意味」
嘉一が、ゼノに視線を移す。
「しばらくは様子見だね」
「ゼノは、何とかなると思う?」
「賞金首として狙われる事が?」
「……うん」
「どのみち、無罪放免になったら、お前となんか行動、共にしないよ」
ゼノに断言されて、嘉一は、また俯いた。
「無罪放免……もう殺したくない……」
「そっか」
「ゼノが一緒に居てくれないなら……」
「……お前、本当馬鹿だね」
嘉一は、映像が消えた辺りの空間を、しばらく見ていた。




