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最恐魔導士は、おれがお嫌い  作者: 水桜崎 有叉杜
第五章

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意味不明な会話

 宿屋の一階で、女将が椅子に座らせられ、目を閉じて寝ている。

 女将の側に居る男が、女将に毛布を掛けようとしている。

 階段から下りて来たゼノが「あら。良い人」と男を見る。

 男は「兄貴達は……」とゼノに聞く。


「みんな殺しちゃったよ」


 ゼノの返答に、男は「そうか……」と返した。

 嘉一は、男の顔を見て、固まっている。

 嘉一が最後に倒した賞金首に、男の容姿が、そっくりだったからだ。


「俺も兄貴のように殺すか?」

「っていうか、え? え? どっちが賞金首?」


 戸惑ったような嘉一に、男は「……俺だ」と答える。

 嘉一は「マジで!?」と、心底驚く。

 男は「あんた達には悪いが、俺は、これから手配所に行く」と話した。

 ゼノが「両親に話してから?」と尋ねる。

 男は「信じて貰えるかは分からないが……」と返し、ゼノが「どれくらい時間が掛かるんだろうね?」と問い返した。


「分からない……長ければ半年……」

「兄さん、良い人のフリ上手だったみたいだもんね」

「すまない……」

「大丈夫。俺は何も困らないから」

「兄貴の首は、まだ、手配所に持って行かない方がいい」

「前科が有るのは、あんただけだもんね。でも、ニュースにはなるよ」

「すまない……」

「いや、俺は何も困らないから」


 ゼノと男の会話を聞いていた嘉一が「さっきから、何の話?」と聞く。

 男は「ありがとう……」と嘉一を見た。

 嘉一は「なんで、ありがとう?」と首を傾げる。

 宿の外が騒がしくなってきた事で、宿の近くに人が集まって来たと分かる。


「あんたは悪い人じゃないみたいだから、逃げなよ」


 ゼノに促され、男は「悪い……」とドアを開け、外に出て行く。


「死体、片付けるか」


 伸びをしたゼノに、嘉一が「部屋、綺麗に出来る?」と確認する。


「女将さんには恩が有るからな。新品同然にしてやるよ」


 ゼノが、二階に向かい、嘉一は、ゼノの後ろを歩いた。

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