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最恐魔導士は、おれがお嫌い  作者: 水桜崎 有叉杜
第四章

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嘉一の言い分とゼノの理屈

 同じ日の夕方、嘉一は宿で目を覚ました。

 ゼノが、部屋のドアを開け、中に入って来る。

 嘉一は「おれ……」と、ゼノの方を見た。


「気絶するなんてね。そんなに殺したくなかったか」

「気絶……?」

「グレードが一番高い奴は、一人しか居なかったよ。首、落としたから、また明日でも換金に行こうか」


 ゼノから視線を逸らした嘉一が「……嫌だ……」と、絞り出すように言う。


「何が? 殺したのは悪い奴だよ?」

「それでも嫌だ……」

「女子供に、ひどい事した奴でも?」

「ひどい事……?」

「子供を誘拐して人身売買。女性は強姦されたり暴力を振るわれたり。色々。ラジアンには刑務所は無いから、賞金首になる以外の罰は受けない。死んで当然だよ」


 まるで、自分が罪を糾弾されたかのような表情をした嘉一は「何か理由が……」と言い掛ける。


「有る訳無いだろ。有るとすれば、自分の望みを叶えたかったから」

「賞金首も、子供の頃、ひどい目に遭ってるとか……」

「金持ちのバカ息子だよ」

「親が厳しかったとか……」

「仕事で忙しくて親は金だけ与えてたみたいだけど、それは同情に値するか?」


 黙った後、嘉一が「……ひどい事していい理由にはならないよね……」と返した。


「俺が殺せって言ってるのは、そういう奴ばかりなの。殺せって言ったら殺せよ」

「後、何人だっけ……」

「三人。後は、お前がやれよ」

「……分かった……」


 ゼノは、力を無くしたように、表情の無くなった嘉一に「飯、食えそう? この宿、食事出ないから、キッチン借りて、何か作るけど」と尋ねる。

 嘉一が「それなら、手伝うよ」と身を起こそうとした。


「いいよ。寝てろ」

「……ありがとう」

「安心しろよ。毒は盛らないから」

「ゼノって本当に料理出来るんだね」

「ん? お前に話したか?」

「いや……」

「ある程度は出来るよ。作ったら呼ぶから、その時は起きろよ」


 ゼノは、それだけ言って、部屋を出て行った。

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