嘉一、追いつめられる
道を塞ぐほど大きな岩が、嘉一の進行方向の上から落ちて来る。
「え? 何!?」
そう叫んだ嘉一の横に「逃げちゃ意味無いじゃん。殺せって言ってるのに」と、ゼノが現れる。
「あの岩、ゼノが出したの!?」
「お前が逃げられないようにな。よく見てみろよ。あいつら、手配所で見た貼り紙に書かれてた賞金首達だぞ。無罪放免のチャンス。狩り放題」
「そんな軽く言う事!?」
「そうそう。あいつらの命なんて軽いの。殺しちゃえよ」
嘉一は困ったように「悪い事した人にも理由が有るし、同じ人間じゃん!」と、声を上げる。
「理由ねぇ。自分が私腹肥やしたいだけじゃねぇの? 知らねぇけど」
ならず者達が嘉一に追いついて、ある程度の距離の所で立ち止まる。
ゼノが「ほらほら。殺さないと殺されるよ?」と、嘉一を煽る。
嘉一は左右を見た後、右側の岩の空洞に向けて、走って行った。
「そっちは行き止まりだよ? 嘉一」
ゼノは嘉一に、そう言う。
その後で、ならず者達が嘉一を追い掛けて、岩の空洞に入って行く。
ゼノは杖を振り、岩の空洞の部分に鉄格子を呼び出して、嵌める。
「悪い事した奴は殺されて当然なのに「理由が有る」ねぇ。呆れるわ」
ゼノが鉄格子に背を預け、寄りかかるようにして「お前の理屈じゃ、誰も救えないよ?」と呟き、鉄格子の方に頭を僅かに向けた。




