無罪放免になる条件
手配所の中に、嘉一とゼノが現れる。
ゼノは「着いたぞ」と嘉一に声を掛けた。
手配所の女性が「あら。お客さんかい? 仲いいんだね」と、二人に笑い掛ける。
女性は三十代か、四十代くらいだ。
嘉一が、ばっと、ゼノから離れる。
女性が「あらあら。恥ずかしがらなくていいのに」と笑う。
ゼノが「無事に着いて良かったね」と、嘉一に話し掛けた。
嘉一が顔を上げた事で、女性が「なんだ。あんたかい」と言う。
女性に、ゼノは「ユィンが三人、賞金首捕まえたんですけど、データ照合、お願い出来ますか」と聞く。
そう言われて、女性は「久しぶりだねぇ。元気にしてたんだね。首、おくれよ」と、ゼノを見た。
ゼノが、首の入った袋を三つ、女性の前のカウンターの上に置いた。
女性が、ブースの中の機械に、袋ごと首を入れる。
機械に備え付けられたモニターに、盗賊達三人の顔が映された。
「本人みたいだね。ちょっと待ってね。お金、用意するから」
そう話すと、女性は、ブースの奥の部屋に入って行き、袋を一つ持って来て、それをカウンターに置いた後、袋の口を開け、嘉一とゼノに中身を見せる。
「これでいいかい? 金額合ってるか確かめるかい?」
「今まで間違ってた事無かったんで、確かめなくて大丈夫です」
ゼノの返答に、女性は、「あんたが来なくなってから、花錬族の事、調べたんだよ。あんたも気の毒にねぇ。復讐したら、賞金首にされてねぇ」と嘉一に、同情するような表情を向けた。
「調べて頂けて、ありがとうございます。ユィンの記録って、まだ残ってますか?」
女性は「勿論だよ」と、ゼノに答える。
「賞金首にはグレードが有って、一番凶悪なグレードの賞金首を十人捕まえたら、特例で無罪放免ですよね?」
嘉一が「え? そんなの有るの? なんで教えてくれなかったんだよ」と、ゼノを見ると、「面白くないじゃん」とゼノは言った。
女性が「あんた、前にも三人捕まえてるから、後四人だね。無罪放免になるには、賞金首になった理由以外に犯罪犯さなければって条件が有るから、頑張るんだよ」と、嘉一に笑顔を向けた。
嘉一は、賞金首のポスターが貼られている壁を見る。
ゼノが「記録しとこうか? 見たい時に空中に投影してやるよ」と、嘉一が見ている壁の方を見た。
「そんな魔法有るの?」と嘉一がゼノに尋ねる。
「魔導士なら大抵、使えるよ」
その答えに「ありがとう」と、嘉一は少し微笑んだ。




