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最恐魔導士は、おれがお嫌い  作者: 水桜崎 有叉杜
第四章

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戦闘

 追いついた盗賊が「ここに居やがったか!」と声を上げた。

 怯えた嘉一は「ひぃっ。すみませんでした!」と口にする。

 盗賊の頭らしい男は、嘉一の手にまとわりつく雷を見て、「てめぇも変な術、使うのか。まとめて殺してやる」と、仲間の方を見た。

「お前ら!」と言われた盗賊の仲間は逃げ出し、声を掛けられて残った盗賊は、頭以外に一人だけになる。

 その一人は「兄貴分、殺されて黙ってられっかよ」と、ゼノを睨みながら、剣を構えた。

 ゼノが「じゃあ、ちょっと遊ぼうか」と杖を持つ。

 ゼノは、その直後、剣を持っていた盗賊に雷を落とした。

 剣を取り落とした盗賊は、痺れたようになった腕を前方に伸ばし「てめぇ……」と口にする。

 ゼノが「敵う訳ないのに、ご苦労な事だね」と、馬鹿なものを見る目で盗賊を見る。

 雷を落とされた盗賊は、今度はナイフを構えた。

 ゼノが、盗賊の構えたナイフに雷を落とし、そこから雷の影響を受けた盗賊が倒れる。

 盗賊の頭を見て「大丈夫だよ。あんたには俺、何もしないから」と、ゼノが口にする。


「この野郎……」


 悔しそうにも見える表情で、盗賊の頭がゼノを睨む。


「嘉一、遊んであげてよ」


 嘉一は、ゼノに言われて、雷をまとう腕を盗賊の頭に振り下ろす。

 盗賊の頭は、それを避けた。


「あの魔導士は後回しだ。まずは、てめぇからだ」


 嘉一、頭の言葉を耳にして、腕にまとわせていた雷を消す。


「殺したくない……。逃げて……!」


 地面に視線を落とした嘉一に、盗賊の頭は「何を言い出すかと思えば……」と、苦笑する。


「嘉一が本気でやれば、お前なんか死ぬよ?」


 腕組みをしているゼノを、ちらりと見た後、嘉一は「ゼノに殺されない内に逃げて……!」と頭に言う。

「二人も殺されて、逃げられるかよ……」


 頭の言葉に、ゼノが「それ以上の数の人間、殺して来たんでしょ? 嘉一、こいつら悪い奴だよ?」と、嘉一にも盗賊にも、呆れたような表情になる。


「それでも殺したくない……」

「ぬるいねぇ」


 ゼノが杖を振り、盗賊が気絶した。

 地面に倒れている盗賊達に杖を向けたゼノは「こいつらの首、落として帰ろうか。野放しにしとくと、どうせ人殺すような奴らだよ」と、嘉一に視線を向ける。


「……おれが首、落とす……」

「分かった? 悪い奴は死んでも仕方ないって」

「……うん。首から下、土に埋めてあげたいんだけど、いい?」

「分かってねぇじゃん。弔って、どうすんの」


 また、呆れたように嘉一を見たゼノに、「分かんないよ。……駄目かな?」と、嘉一は尋ねる。


「ああ。弔うのは、こいつらの仲間がやるだろ」

「そうだね……。余計な事しない方がいいかな……」

「首以外は放っといて帰るぞ」


 その言葉に頷きながら、嘉一は、倒れている盗賊達を見ていた。

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