表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【勘違いコメディ】そのワン公、魔力ゼロにつき。  作者: 小春日和
第2章 ワン公、魔法を知る

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
39/56

その美しい館内検索機は歩く

LINEスタンプ販売中!

「そのワン公、魔力ゼロにつき。」

で是非検索してみてください☆

40個入り120円です。

ネフィラは大事そうに本を抱えたまま。


優雅にソファへ腰掛けた。


そして。


先程までの騒動がまるでなかったかのように。


スッと足を組む。


「それで?」


ツン。


完全にお嬢様モード。


「わざわざこんなところまで来るなんて」


「私に何か御用ですの?」


レン。


「切り替え早ぇな……」


さっきまで。


うわっしょぉおおおい!?!?


とか叫びながらスライディングしていた人物とは思えない。


ノンはその様子を見て。


くすくす笑っていた。


「な、何ですの」


「なんでもないよぉ〜」


そんな中。


モズがニカッと笑う。


「一緒に飯行かね?」


ネフィラ。


停止。


「……へ?」


予想外。


完全に予想外。


(ご、ご飯……?)


(この方達と……?)


(わ、私が……?)


心臓がうるさい。


でも。


顔には出さない。


出してないつもり。


「んっん!」


咳払い。


「ま、まぁ……」


「あなた達がそうおっしゃるのでしたら」


「ご一緒しなくもありませんわよ」


耳が真っ赤だった。


モズ。


「よし!」


パチン。


指を鳴らす。


「決まり!」


ノン。


「やったぁ〜」


そして。


四人は図書館の中を歩き始めた。



「でっけぇなぁ」


モズが見上げる。


高い天井。


どこまでも続く本棚。


レンも周囲を見回した。


「迷ったら二度と帰ってこれなさそう」


「大袈裟ですわ」


ネフィラが即答する。


「第三書架は古代史」


「第五書架は魔法理論」


「第八書架は禁書指定区域」


「第二書架左側は伝記ですわ」


レン。


「なんで覚えてんだよ」


「読んだからですわ」

「館内の本の場所、大抵把握しておりますわ」


「…館内検索機の擬人化みたいだな」


レン若干引く。


その時だった。


少し離れた場所。


一人の学生が本棚の前でオロオロしていた。


「あれ……?」


「おかしいな……」


何度も紙と本棚を見比べている。


探し物らしい。


レンも気付く。


「あの人困ってるな」


モズ。


「だな」


ネフィラも気付いていた。


「……」


少しだけその学生を見る。


普段なら。


人見知りなネフィラは近付かない。


知らない人なら尚更。


でも。


今回は違った。


トコトコ。


ネフィラが歩き出す。


レン。


「お?」


モズ。


「珍しくね?」


ネフィラは学生の前で立ち止まった。


少し緊張したように視線を逸らしながら。


それでも。


ちゃんと声を掛ける。


「あの……」


学生。


「え?」


「何をお探しですの?」


学生は手元の紙を見る。


「あっ」


「えっと……」


本の題名を伝える。


すると。


ネフィラ。


即答。


「第三書架ですわ」


「え?」


「左側の通路を進んで二列目」


「下から三段目です」


「青い背表紙ですわ」


学生。


完全停止。


「……え?」


学生は半信半疑で向かう。


そして数十秒後。


遠くから声。


「あったーー!!」


ネフィラ。


ふん。


当然ですわ。


みたいな顔。


レン。


「すげぇ……」


モズ。


「店員か?」


「失礼ですわね」


ネフィラはツンとする。


だが。


少しだけ嬉しそうだった。


その後も。


「あの、魔法薬学の本を……」


「第五書架ですわ」


「回復魔法の参考書は……」


「右から三列目ですわ」


「歴代学長について調べたくて……」


「伝記コーナーですわ」


即答。


迷いなし。


次々と学生達を案内していく。


レンはその様子を見ていた。


知らない人と話すのは苦手なはずなのに。


本のことになると。


自分から声を掛ける。


助ける。


しかも。


見返りなんて求めていない。


純粋に。


困っている人を助けているだけ。


(……)


レンは少し驚いていた。


最初は。


変な人だと思っていた。


急に挙動不審になったり。


図書館で変な声を出したり。


正直。


「ほんとに大丈夫かこいつ」


と思っていた。


でも。


違った。


この人。


ちゃんと良い奴だ。


その時。


また一人の学生がネフィラにお礼を言って去っていく。


「ありがとうございました!」


ネフィラは少しだけ微笑んだ。


「お気になさらず」


そして。


並ぶ本棚を見上げる。


優しい青い瞳が細くなる。


「本は」


静かな声。


三人が振り向く。


ネフィラは本棚へ視線を向けたまま続けた。


「迷子になってはいけませんもの」


その言葉は。


本に向けたものなのか。


本を探している人に向けたものなのか。


レンには分からなかった。


でも。


ネフィラらしいなと思った。


ノンも嬉しそうに笑う。


「ネフィラちゃん優しいねぇ」


「そ、そういう話ではありませんわ」


照れたように視線を逸らす。


耳が少し赤い。


モズはニヤニヤしていた。


「いやでもすげぇよ」


「本当に全部覚えてんだな」


ネフィラは胸を張る。


「当然ですわ」


「この図書館の本はほぼ読みましたもの」


「ほぼ?」


レン。


「ほぼ?」


モズ。


「ほぼ?」


ノン。


ネフィラ。


「ほぼですわ」


当たり前のように言う。


三人。


引いた。


「こわ」


「こわいな」


「すごいねぇ」


反応はバラバラ。


ネフィラは不満そうに頬を膨らませた。


そんなやり取りをしながら。


四人は図書館を後にするのだった。

ご覧頂きありがとうございます!

「面白い!」「続きが気になる!」と思ってくださったら、ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、執筆の励みになります!ブックマーク登録もぜひよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ