かわいいうさぎさん
LINEスタンプ販売中!
「そのワン公、魔力ゼロにつき。」
で是非検索してみてください☆
40個入り120円です。
放課後。
月詠魔法大学。
人通りの少なくなった校舎。
レンとノンは二人並んで歩いていた。
「……問題は場所なんだよな」
レンが腕を組む。
「ん〜?」
ノンが首を傾げる。
「魔法の練習だよ」
「普通にやったら目立つだろ」
「そっかぁ」
ノンは納得したように頷く。
レンはため息をついた。
魔力核がない。
人間である。
そんなこと。
まだ誰にも知られるわけにはいかない。
だから練習場所は限られる。
誰にも見られない場所。
静かで。
人が来なくて。
魔法が使える場所。
「うーーん……」
ノンが真剣に考える。
そして。
ポンッと手を叩いた。
「個室トイレ?」
「いやなんか危険な空気しかないだろが」
即答。
「そうかなぁ?」
「そうだよ」
「絶対変な噂になるやつだろ」
「むぅ〜」
ノンは頬を膨らませる。
そして。
しばらく考える。
「……」
「……」
二人。
同時に顔を上げた。
「あ」
「あ〜」
思いついた。
◇
向かった先。
特別編入生専用区画。
男子寮。
レンとモズの部屋。
「ここなら誰も来ないねぇ」
ノンは楽しそうに部屋を見回す。
レンもうなずく。
「まあ……確かにな」
「モズはまだ帰ってこないし」
「少しずつ練習するか」
初めての魔法練習。
レンは少し緊張していた。
そんな中。
ノンが何かを取り出す。
「じゃーーーん」
得意げ。
「作ってきましたぁ」
「ん?」
レンが見る。
木製の的。
……のようなもの。
丸い形。
ただ少し歪。
黒い丸が二つ。
真ん中には。
赤い線。少し右上がりに引かれている
……口?
そして。
上には。
ぴょこん。
長い板が二本。
「…………」
レン。
無言。
「これは?」
「うさぎさんだよぉ」
「……」
「やっぱり可愛い的の方がテンション上がるじゃん?」
ノン、満足げ。
レン。
もう一度見る。
歪な顔。
謎の目。
妙に長い耳。
「……」
「恐怖心が上がったわ」
「えぇ〜」
ノン、不満そう。
だが。
その謎のうさぎ(仮)は入口のドアへ吊るされた。
「じゃあ〜」
ノンが部屋の端を見る。
「一番離れたところから」
「真ん中狙ってみよっかぁ」
そう言って自然にレンの手を取る。
「こっち〜」
「お、おう」
部屋の一番端。
距離を取る。
レンは自分の手を見る。
「……で」
「どうやりゃいいんだ?」
ノン。
考える。
「ん〜」
「えいやーって感じ?」
「いや分からん」
即答。
ノンは薄いピンクの髪を揺らしながら笑う。
「ふふっ」
「じゃあ……」
「強いて言うならぁ」
少し考えて。
「ダーツみたいな?」
レン。
「あ」
「それ分かりやすい」
ようやく伝わった。
手を前へ。
狙う。
小さな的。
……いや。
うさぎ。
たぶん。
「じゃあ流すねぇ」
ノンがレンの腕にそっと触れる。
「ほんの少しだけ」
淡い光。
ノンの魔力がレンへ流れる。
その瞬間。
レンの黒い瞳がゆっくり色を変える。
黒から。
淡いピンク色へ。
入学式の日。
花火を打ち上げた時と同じ。
ノンの色。
「……」
ノンはその瞳を見る。
そして小さく呟いた。
「……綺麗」
「え?」
「なんでもないよぉ」
ふわっと笑う。
「じゃあ」
「撃ってみよ〜」
レンは息を吐く。
集中。
狙う。
少しだけ。
本当に。
少しだけ。
「いけ……!」
次の瞬間。
ドォッ!!!!
「え」
「え?」
レンの手から。
淡いピンク色の光が一直線に放たれる。
ビーム。
完全にビーム。
バキィィィィン!!
命中。
うさぎ(仮)。
額。
ど真ん中。
パキッ。
顔が綺麗に半分割れた。
そして。
カラン。
カラン……。
床に落ちる。
「…………」
「…………」
二人。
沈黙。
しゅぅぅぅ……
煙。
レンの指先から。
薄く上がる。
「……当たったねぇ」
「見るとこそこか?」
その直後。
ミシッ。
「ん?」
入口のドア。
ギィ……
バタァァァァン!!!
倒れた。
「…………」
「…………」
さらに沈黙。
そして。
倒れたドアの向こう。
廊下。
そこには。
モズが立っていた。
「…………」
片手には買ってきたパン。手から静かに落ちる。
目の前を通過した謎の光。
倒れた自室のドア。
割れた謎のうさぎ。
レン。
ノン。
全部見る。
そして。
顔を引きつらせた。
「……」
「……」
「…………何してんのお前ら?」
レン。
「……魔法の練習」
モズ。
「…………」
割れたうさぎを見る。
壊れたドアを見る。
もう一回レンを見る。
「…………」
「魔法ってドア破壊する練習だったっけ?」
「違ぇよ!!」
こうして。
大神レン。
初めての魔法練習。
結果。
的、破壊。
ドア、破壊。
そして。
秘密。
早速。
危機。
だった。
ご覧頂きありがとうございます!
「面白い!」「続きが気になる!」と思ってくださったら、ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、執筆の励みになります!ブックマーク登録もぜひよろしくお願いします!




