置いてきたようです
「ストップ!! 誰かこっちに来る……って、この臭いは」
ラビは足を止めて、俺様達が進むのを腕を上げて止めた。
この先にあるのは湖だ。こちらに来る何かは限られている。一番厄介なのはパイソンなわけだが、バーバラが湖で何かを捜していると告げていた。
残っているのは……
「お前等!! 俺の誘いを断って、こんな奴等とパーティーを組んだのかよ!!」
「……無事だったみたいだね」
ガキ共が湖から無事に逃げられたわけだ。見た目的に傷は無さそうだが、泥等がついてボロボロではある。
「当然だ!! 俺を誰だと思ってる。……今からでも乗り換えるつもりはないか」
「誰がそんな誘いに乗るんですか? 私達を罠に嵌めようとして。サマナさん達とは利害の一致、信用出来るからパーティーを組んだんです。貴方達とは違います」
キララはキッパリと断った。ボロボロの状態の奴等とパーティーを組んでも、ポイント数が増えるだけ。
パーティーの乗り換えが可能なのかも分からない。下手したら、今の倍にでもなれば、ポイント数で合格は不可能になりかねないぞ。
「ちっ!! 行くぞ。ここで揉めたせいで、ルール違反になるのは御免だからな。お前等が痛い目を見る事を祈ってるぜ」
ガキ共は捨て台詞を吐いて、サマナ達を通り過ぎようとしてる。この先にパイソンがいるという情報は教えないのは、コイツ等らしいが……
「……待ってください!!」
それをサマナが呼び止めた。ガキ共がパイソンの情報をくれるわけがない。いや……ちょっと待てよ。おかしい。何かが足りなくないか?
「もう一人……トムはどうしたんですか? 姿が見えません」
そうだ!! ガキ共と最初に出会った時は二人組だったわけだが、探索者試験前には三人組になっていた。
それなのに今は一人足りなくなっている。消えているのはサマナと同じ孤児院の奴だ。脱落者にトムという名前は出てなかった。
「アイツはお前の知り合いだったか? 口先だけの役立つ。いざ怖い魔物になったら、ろくに詠唱も出来ずに魔法は不発。だったら、囮ぐらいにはしてもらわないとな」
「僕の補助魔法も二人が限界だったから。倒せないのなら、逃げるしかないよね」
という事は、パイソンが湖で捜しているのはトムという事になる。
「そんなの!! 今から助けに行くつもりは」
「ないね。カップルはともかくして、コイツと……獣人と一緒にいれるかよ」
「脱落者が増えるのはそちらにも都合が良いですよね」
「そんなの!!」
サマナはガキ共の返答に俺様を振り上げようとした……が、それをラビに止めてくれた。
「そんなの相手にして、ルール違反で脱落するのは馬鹿のやる事だよ。サマナがやるべき事は違うよね」




