助けるために
「えっ!! サマナさん達を陥れようとしてた奴等ですよ。助ける筋合いはないですよ」
キララが驚くのも無理はないよな。二人も迷惑を掛けられた側だ。ガキ共が脱落してくれた方が良いに決まっている。
「パイソンに殺される事もないはずです。瀕死になるかもしれないけど、試験官に戻されるだけ。心配する必要は別に」
「はぁ……サマナもとことん甘いよね。パーティーになったんだから、キララやチェリオも迷惑を掛ける事になるんだよ」
「それでも……万が一の事があると思うんです。私は嫌われてたけど、トムは……」
孤児院の奴等の事か? トムは優秀で、装備も揃えて貰ったらしいからな。脱落したら、悲しむだろうが……ほんとのお人好しだ。
とはいえ、俺様はサマナの願いを叶えるためにいる。その契約だ。
「どうせ、向かう場所だ。偶然、逃げるのを手伝う事になってもパーティー扱いにはならないだろ。間に合わなかったら、それまで。少し急ぐぐらいなら構わないじゃないのか?」
俺様はサマナに助け舟を出す。ラビはまだ良いが、キララとチェリオにはメリットがないからな。それを提供すれば問題ないはずだ。
「その代わりだ……キララに一角ウサギの角を渡す。それならどうだ?」
「えっ!! 一角ウサギの角を持っているんですか?」
キララは喰い付くよな。一角ウサギを倒しても、全然出なかったみたいだからな。
「サマナもいいの? 折角、ガイコツが強化させたのに」
ラビがサマナに尋ねる。俺様が勝手に言った事だが、サマナも理解するはず。
俺様の進化ならぬ強化を取るか、ガキ共の生存を取るかの二択なら、サマナは後者を取る。なんせ、俺様が許可してるわけだ。
一角ウサギの角だけが特別な素材じゃないだろ。いつかは別の魔物の素材でも強化出来るはず。
「はい。人の命の方が大事だから。ガイコツさんも良いと言ってるのなら、尚更です」
サマナは躊躇なく、俺様の頭から一角ウサギの角を抜き取る。サマナ以外は抜けないからな。
そのせいで、俺様はツルツルの頭に戻った。少し頭が軽くなったぞ。
「それって一角ウサギの角だったんですか? 似てるとは思っていたけど……武器になる?」
「それは偶然です。ガイコツさんが特別なだけだと思います。角が無くても、ガイコツは頑丈なので大丈夫ですよ」
俺様は特別な水晶で出来てるからな。もしかしたら、一角ウサギの角の方が簡単に壊れるかもしれない。
「サマナの言う通り。角で槍にしなくても、俺様の頭だけで十分だ」
叩かれるのは頭に響くから嫌ではあるが……
「分かりました。これでキララの合格条件がポイントだけになります。急ぐだけです。間に合わなくても、文句はなしで」
チェリオがそれを了承した。彼はキララを優先して合格させようとしてたからな。




