脱落者
「報告だ。ガライ=ダム、メトロイ=モロイの二名が脱落した。残り十三名。パーティーからの脱落になった場合、必要ポイントが減るわけじゃない。注意してくれ」
今回、探索者試験担当の試験官シンキの声が響く。ラビの予想通り、脱落者が出た事による連絡だ。
「ラビさんの言った通りでしたね。こんな数時間で脱落者が出るなんて。理由までは教えてくれないんですね」
受験者二名の脱落理由。この二人は同じパーティーではなく、別だった。森のダンジョンに移動する際、受験者の名前を呼ばれていたからな。
「そうだね。前回も時も同じだよ。けど、受験者同士の戦闘じゃない事は確かだと思う」
「僕もラビと同じ意見だな。二人は別のパーティーを組んでいた。他の参加者、受験者に戦闘を仕掛けたとしたら、連帯責任になると思う。それがガライとメトロイの二人だけが脱落になるのはおかしいからね」
「俺様もだ。流石にルールを把握出来ない程の馬鹿じゃないだろ。するにしても、時間はまだあるからな」
仲間のために自身が犠牲になる。そのために他の参加者を蹴落とす選択をするには早すぎる。二日目になり、合格がギリギリになったぐらいにだ。
それもパーティーに迷惑が掛かる可能性が十二分にあるわけだからな。
「魔物にやられたと考えるのが妥当だな。もしくは、罠に嵌められたか。二組はそういう奴等なんだろ?」
「……トム達ですよね。それとラビが見た……最低です」
サマナは怒っているが、それも合格するための一つの手段だからな。ルール違反なわけじゃない。
「警戒は続けるべきですね。ラビさんの鼻を頼りにしてます。魔物に気付くのも早くなると思いますから」
「仕方ないなぁ。変な臭いには気をつけるよ。勿論、マッドベアラーの臭いには特にだよね。住処を見つけるのもそうだけどさ」
「脱落させたのはマッドベアラー……と考えるべきですね」
「可能性が高いだろうな。住処を探す必要があるけど、こちらが見つかるのは危険だ」
受験者を倒した魔物はとなれば、一番にマッドベアラーが思い浮かぶ。サマナやラビが生き残れたのもバーバラのフォローもあったが、運が良かっただけだ。
ラビ、サマナ、チェリオもマッドベアラーが危険だという事を再度確認したようだが……
「警戒するのはマッドベアラーだけじゃないぞ。他の魔物にもだ。一人はマッドベアラーが相手だったとして、もう一人はタイミング的に違うだろ。マッドベアラー以外にも厄介な相手がいるって事だ」
ギルドからの連絡のタイミングを考えると、別の魔物にヤラれた可能性が高い気がする。
マッドベアラーが危険だからこそ、回避、逃げる事を優先。他の参加者達も遭遇すれば、すぐに分かる。それに失敗した……と考えられる一方。
二人とも別の魔物にヤラれた可能性もある。
キノコン、フクロウコウジは別として、一角ウサギもサマナでも倒せる程。
キララやチェリオもどれかの魔物を倒して、認識が甘くなっているんじゃないか。
「もう一度ブックで確認して、情報交換しておくべきだな」




