ギルドからの連絡
「洞窟といっても、ダンジョンではないと思う。この花畑みたいに広い場所、湖と同じ箇所に隠されるようにあった。僕達が最初に飛ばされたのがそこでしたから」
キララとチェリオが転移したのが、森のダンジョンの湖がある場所らしい。
「怪しい場所で覗きに行きたい気持ちもありましたが、チェリオに止められて」
キララはチェリオをチラッと見る。今回も止められるかの確認か?
「宝物でもありそうとか、言ったからだろ? 僕達の目的は合格で、宝探しじゃない。まぁ……あそこなら、蝙蝠が身を隠していてもおかしくはないと思います。確認するのはありかと」
キララの職業は盗賊で、宝物がありそうな場所が気になっていた。そこにフォレストバットが隠れているのなら、行く理由が出来るわけだ。
「確認するのは全然ありだね。横穴に蝙蝠がいる事があるのは確かだし。蝙蝠の魔物も同じ性質かも」
そういう知識が俺様が言うべきところなんだが、それを言っても仕方がない。ラビも普通の蝙蝠と遭遇した事があるらしい。知識よりも体験した方が確かだ。
「分かった。足跡を追いながらで構わないなら。途中で方向転換すればいいだけだし」
ラビが了承したのなら、チェリオも頷くしかないからな。
「行き先は決定したな。まずはマッドベアラーの足跡を追うぞ。そこから湖のある場所だな」
「ですね」
サマナは空を見上げ、俺様の目がそちらに向くようにもしたのは、バーバラにサマナ達の行動を把握しているのか確認するためだ。
バーバラもまだ眠気があるのか、空に浮かびながらも風に流されそうになっている。それでも両腕で丸を作るのは、OKという意味だろう。
知らないうちに流されても、空から探せば見つかるだろう。結界も張られたダンジョン内。知らない場所まで行く事は早々にないはず。
空から湖の場所、参加者達の行動を見に行ってくれるのもありなんだが……
バーバラもサマナと離れたがらないだろうな。サマナもバーバラを心配して、ソワソワしそうだ。
「先頭は僕で良いんだよね。狩人の目があっても、サマナとチェリオは後衛タイプ……って、この音は」
「聞いた事がない音ですね。森全体に響き渡っているという感じじゃないですか?」
魔物の鳴き声でもなく、戦闘音でもない。自然に発せられる音でもないな。
「ギルドからの連絡だね。前回もこの音が鳴らされたから。多分だけど、脱落者が出たんだと思う」
ラビが前回の探索者試験で同じ音を聞いたようだ。
この音はギルドからの連絡であり、試験の脱落者が出た事を報告だと、ラビは予想しているようだが……




