洞窟
「……そうだよね。地道に探すしかないかな。キララの必要なアイテムは何なの? マッドベアラーの住処探しに集中しても構わない感じ? それとも」
「私もまだ手に入れてないです。それを持ってる魔物とは何度も遭遇しているんですけど、全然落とさなくて。制限はないので、大丈夫だと思います」
「何度も遭遇ですか?」
「一角ウサギです。落とすのは生肉ばかりで、欲しいのは一角ウサギの角なんですよ。落とすやり方があるのかもしれないですね」
「それだったら」
「遭遇する回数が多ければ、チャンスはあるだろうな」
「……僕やサマナ達を優先するべきだね」
俺様とラビはサマナの言葉を遮った。
サマナはすでに一角ウサギの角を入手していて、俺様が装着している。
パーティーになるのだから、その情報を伝えるべきだとサマナは判断したわけだ。。
それも間違ってはいない。だが、もう少し様子を見た方がいい。俺様だけじゃなく、ラビも同じ考えなんだろう。
「……まだ教えなくていい。確実なやり方じゃない。武器としても使う可能性もある。渡すとしても、ギリギリでいいぞ」
俺様はサマナだけ聞こえる声で伝える。サマナは声に出さず、渋い顔で頷いた。あまり納得はしてないな。
キララは俺様に興味を示していたからな。更に一角ウサギの角付きだと、余計に意識を向けかねない。
チェリオとキララをすでに信用しているのは、サマナらしいといえば、らしいかもだが。
一角ウサギの角の入手したのも偶然。頭を叩くのが正攻法かも分からない。俺様に付いてるのが一角ウサギの角だとキララが見破れば、その時は……
「それなのですが……もしかしたら、フォレストバットは夜じゃなくても、出現しそうな……隠れている場所が」
「本当に!! だったら、先にそこを確認してみたいんだけど!!」
「そんな場所……あそこの事か。マッドベアラーの住処の可能性もゼロではないかな。足跡とは別方向だけど」
チェリオもその場所に覚えがあるみたいだな。足跡があった方向とは違っても、再度四方向の分かれ道になるのなら、フクロウコウジを操作すれば、そこに着く事は出来るはずだぞ。
「マッドベアラーの住処の可能性……ですか?」
「洞窟だよ」
キララはさらっと口にする。
「洞窟だと!!」
探索者試験に用意されたダンジョンは森。そこに別のダンジョンが存在するという事か!? ……なんて、絶対に罠だろ。
罠といっても、チェリオやキララではなく、試験官が仕掛けた。
好奇心旺盛なら、中が気になるところではある。




