追跡不可
「闇雲に探すよりかはマシだろ。違ったとしても、そこではなかっと分かるからな。それでは足跡を追っていくぞ。チェリオを先頭にしたいが、弓を武器にしてるわけだからな。ラビが先頭……」
俺様がリーダーっぽくなってるぞ。一番の年長で、知識も豊富だからな。
一番後ろはサマナ……と言いたいが、チェリオだな。先頭はラビ。格闘士なのもあるが、足跡と臭いの二重追跡をしてもらいたい。キララは……二番目か。
「ちょっと待って!! その狩人の目でビービーとか、……ウインドバットも追えたりする? ウインドバットは夜に出現するらしいんだけど」
太陽の位置からして、昼の時間ぐらいか。探索者試験のダンジョン内ではあるが、その時間は間違いないだろうな。
作られた太陽だとしても、時間の把握のために太陽の位置は重要になる。
ラビが言いたいのは、マッドベアラーにかまいすぎると、ウインドバットを探す時間を忘れてしまう事だろうな。
ウインドバットが出現するのは夜。探索者試験が二日間だとしても、明日のは夜はなし。今夜で蝙蝠の羽根を手に入れるしかないわけだ。
「率直に言うと、僕の必要なアイテムは蝙蝠の羽根。それを落とすのがフォレストバットだと思うんだ。夜にしか出てこないのなら、先にビービーを捕まえておきたいかな……って」
チェリオが合格に必要なアイテムを口にしたように、ラビも二人に教えた。アイテム探しに協力するとあちらが言ってきたからな。
「わ、私はビックワガタのクワバサミです。蜂蜜はビックワガタを誘き出すためで……もしかしたら、マッドベアラーの住処にいてくれたら良いなぁ……って。だから、ラビの優先してくれた方が」
蜂蜜はチェリオだけでなく、サマナも必要。運が良ければ、マッドベアラーの住処にビックワガタがいれば、手に入れる事が可能だ。
だが、ラビの場合はそうもいかない。巣が壊され、ビービーがマッドベアラーを追う。もしくは、蜂蜜目当てにビービーがいるかもしれない。
だとして、フォレストバットもマッドベアラーの住処に行くかは話は別だ。
ビックワガタやビービーの虫型の魔物は兎も角として、フォレストバットをマッドベアラーが無視するか。いや、攻擊するなり、フォレストバットを餌にしかねない。
そんな危険な場所にフォレストバットも流石に行かないだろ。
「そういう事ですか。残念ながら、それは無理です。追えるのは足跡だけで、飛んでいる相手を追跡するには……【狩人の目】もまだまだで」
チェリオもサマナやラビと同年齢ぐらい。魔法やスキルが発展途上なのは当然だ。
フォレストバットやビービーは空を飛んでいるわけだからな。こんな時こそ、ラビの鼻が役に立つわけだが、相手の臭い自体が分かってないからな。




