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狩人の目


「ここです。マッドベアラーの倒した木や爪痕が残されたままです。確認すれば、ブックに情報が追加されるはずですよ」


「うわ……あの時はマジマジと見てなかったけど、本当に追加されてる」


「それは違うな。ビービーの巣を壊し、蜂蜜を奪い取った場所だからだろ」


 サマナ達がマッドベアラーと遭遇時も木を倒してたりしてたからな。その時に情報の更新はなかった。気付かなかっただけかもしれないが、多分そうだ。


 マッドベアラー追跡のため、先にしたのはビービーの巣があった場所の確認だ。それをする事によって、ブックの情報更新がされるわけだ。


 それ以外にも理由はあるんだが……


「臭いは同じ? 花畑の匂いで分からないですか?」


 マッドベアラーの情報が更新された以上、それを起こしたのは本人しかいないわけだが、念には念をだ。


「分かる。マッドベアラーの臭いで合ってるよ。もう一度確認出来たのは大きいかな。けど、花畑から臭いを辿るのは難しいからね」


「大丈夫。ラビさんには鼻があるように、僕には狩人の目があるから」


「「狩人の目?」」


 俺様の声とサマナの声が被ってしまった。


 サマナも興味津々のようだな。俺様も知らない知識だ。


 チェリオが遠くにいたサマナ達を見つけたわけだが、それだと獣人のラビの目と何ら変わりがないぞ。


「遠くまで見るだけなら、僕にでも出来るけどね」


 ラビもご自慢の鼻を対象に出された以上、自分が上だと思わせたいらしい。


「それもだけど、足跡を見つけて、追跡出来ます。情報が増えた分、はっきりと分かるようになるんです」


「なるほどな。だからこそ、マッドベアラーの情報を更に詳しく聞いてきたわけだな」


 今も花畑に近くにいるわけだが、それまでの間にチェリオはラビとサマナにマッドベアラー遭遇時の事を再度聞いてきたからな。


 足跡が見えるようになれば追跡は可能。それだけでなく、マッドベアラーが向かった先ではなく、来た方向を辿れば、住処を見つける事も出来るのではないか?


 狩人の目がどのように見えているのかは気になりはするわけだが……


「そういう事です。今回、魔物に使うのは初めてだけど、二人の話を聞く限りは間違いないと思う。ビービーの巣近くになると、二足歩行に変化しているのが分かるから」


「へぇ〜……僕の目には見えないけど。下に落ちた木の枝がマッドベアラーに踏まれたとか、花が倒されてるぐらいだね」


 獣人の目でもマッドベアラーの移動の痕跡は見えないらしい。


「蜂蜜を取れたのもあって、来た道を戻ってるようです。他の木も調べた足跡はありはしますけど……」


「とはいえ、【狩人の目】も絶対じゃないです。途中で痕跡が見えなくなる時もあります。初めて魔物に使うわけなので」

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