巣がありません!!
「サマナさんにも蜂蜜は必要なんですね。この花畑に来た理由も納得です。勿論、私達で蜂蜜を独占するつもりはないです。むしろ……その方が助かります」
「助かる? 蜂蜜を手に入れるのがそんなに難しいわけ? ビービーが集団で襲ってくるとか?」
蜂蜜はビービーの巣にある。それを奪うにしても、ビービーの抵抗は免れない。集団で襲われると厄介そうではあるが……
「それ以前の問題だ。ビービーの巣がないんだよ」
「巣がない……ですか? 花畑付近で見つからないんですか? 探すのを手伝うなら全然問題」
ビービーさえ見つかれば、ラビの鼻頼りに巣を発見出来るんじゃないか?
「いえ……見つけてはいるんです。ただ……壊されていたわけで」
「壊されてた!! 僕達以外の参加者がやったわけ? 合格出来る人数は決まってるから、他を蹴落とすために」
参加者同士の戦闘は禁止されているが、妨害は許されている。先にアイテムを入手、壊す事は許されているわけか。
だが、敢えて危険な行為をするかだな。
巣を壊すのなら、ビービーが容赦なく襲い掛かってくるはずだ。
魔物を撃破してポイントを稼ごうにも、同じ魔物を倒してもポイントは加算されない。
効率が悪過ぎるだろ。ツッコミを入れようにも、俺様はしゃべれないのがもどかしいぞ。
「待ってください。もしかして……それを壊したのはマッドベアラーですか?」
サマナは軽く手を挙げて、ビービーの巣を壊した犯人を口にした。
俺様も同じ考えだ。それがサマナの頭に流れたんだな。
「キララさんはマッドベアラーが関係すると言ってました。それにあの行動の意味も分かりますし」
「あの行動?」
ラビは頭に疑問符が浮かび上がってる風な顔をしている。
サマナが言いたいのは、キララやチェリオの行動じゃなく、マッドベアラーの行動だ。
「……私達じゃなく、マッドベアラーの事ですよね? どういった行動だったんですか?」
キララもそれが分かったみたいだな。サマナに話の続きを促した。
「何かを探してたんです。地面じゃなく、木の上の方をです。それはビービーの巣を探してたんじゃないのかな?」
「そうだ。マッドベアラーがビービーの巣を壊し、蜂蜜を奪ったんだよ。巣があった木は倒され、爪痕が残されていた。それを見つけたら、ブックの内容が更新されたんだ」
チェリオはサマナとラビにブックの更新された内容を見せた。俺様も内容がギリギリ見える。
更新されたのはビービーではなく、マッドベアラーの情報だ。
マッドベアラーは蜂蜜を一番好み、住処に持ち帰る。住処周辺に動物系、植物系の魔物はいない。
稀に蜂蜜等の匂いに虫系の魔物が寄ってくる事も。




