盗賊と狩人
「ラビ!!」
「はいはい……この二人は悪い人じゃないとか言いたいんだよね。先に話は聞いてからだよ。……僕も名乗るからさ。名前はラビ。職業は格闘士……って事も聞かされてる?」
サマナのキラキラした目で、ラビも何が言いたいのか予想がついたわけだ。
キララの境遇から、サマナは二人が悪い人間には思えないんだろうな。
盗賊も捉え方次第では良くも悪くもなる。チェリオの言い方からして、キララが探索者になるのは親を見返すためとかの理由だろ。
「君の職業は彼女同様奴等に聞かされているよ。そういうのは本人から聞くべきだと思ったけど、勝手に言ってきたから。僕の職業は狩人。武器で予想はついただろうけど」
チェリオの手には弓。背中には矢が入った袋。それを見た時点で、弓を使う職業なのは分かるからな。
武器もそうだが、サマナ達の姿を確認出来た事もだな。獣人並みの目や耳の良さは流石に特殊な職業だろう。
「まぁね。お互いの職業が分かったところで、情報交換だよ。何を教えてくれて、何が知りたいのさ。こっちはお願いペコペコで、さっさと話を」
「なら、食事をしながらでも。私達もまだだったから。お二人にも少し分ける事は出来ますよ」
「ご飯をくれるの!!」
ラビの目がキラキラと輝き出した。口はヨダレが垂れそうだがな。俺様達が手に入れた食料だけでは、ラビには足りないだろうからな。
キララはキノコと生肉を鞄から取り出した。キノコンや一角ウサギ等の魔物を倒したんだろう。
ただ、それらを食べるためには火が必要。
焚き火をするためにはサマナの【ファイアボール】を使わなければならない。すでに二回魔法を使ってる身としたら、かなり痛いぞ。
「生だと危ないからな。火を使った方がいい。魔物の一部だと思うんだが……大丈夫か?」
チェリオも鞄から石を二つ取り出した。俺様の知識からして、それは火打ち石。 魔法を使わずとも、火を出せる。狩人の能力はそれを扱えるわけか。
キララは側にある落ち葉や、木の枝、草を集め始めているのが証拠だろう。
それと魔物の肉に抵抗があるのかを聞いているんだろうが、ラビは全く気にしない。フクロウコウジを食べようとしてたぐらいだ。
「お腹が膨れたら良い!! 肉なら尚良い!! 魔物なんて毒されなければね」
ラビはそうだろうな。
「ダンジョンの食料は現地調達という事ですよね。そういうのにも慣れないと駄目だから……私も草木を手伝います」
サマナの場合、逆にフクロウコウジや一角ウサギを可愛いと思ってたからな。抵抗は少しはあるものの、やむなしと本人も分かっている。




