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遭遇


「ストップ!! マジ……騙されたわけじゃないはずなのに」


 再度、ラビを先頭にして三つ目の分かれ道へ。念の為にフクロウコウジの向きも移動前に変更されたわけだが……


「……どうしたんですか?」


「話すなら小さな声で……叢に隠れるよ」


 ラビが足を止め、サマナが移動するのを腕でブロックした。声も小さくするように言ってくる。それだけでなく、叢に連れ込む。


 サマナや俺様の目には見えないが、ラビの目……鼻で何かいるのかを感じ取ったのか? 


 いや……ラビの言葉の意味が分かった。視界に入ってきたのもあるが、威圧感で分かる。俺様にも感じ取れるぐらいだ。


 キングベアラーがいる。奴は二つ目の分かれ道の北側にいたはずだ。


 ラビがわざわざ嘘を吐く理由もない。ラビ自身も危険に晒されるわけだからな。


 大きさは大体五メートルぐらいか? サマナやラビの三倍……それ以上ありそうだ。


 熊は四足歩行が主だが、マッドベアラーは二足歩行で進んでいる。木も爪と腕の振りだけで倒せそうな感じがある。


 現に木の枝を邪魔だとばかりに片手で軽々と折っていく。サマナやラビがそれを受けたら一撃で即死するぞ。


「……アイツはヤバい。身を隠す……逃げる方が正解だな」


 マッドベアラーは何かを探している感じがある。周囲を見回し、木の枝を折っていくのもそのためなのか。


 餌を探している場合、サマナやラビの匂いを捕らえる可能性が高い。ラビでもマッドベアラーの臭いに気付いたわけだからな。


 引き返すのが賢明だ。気付いていない今ならまだ間に合う。


「そうしたいところは山々なんだけど……アレが見える?」


 ラビが指差した先にはフクロウコウジの姿がある。視線の先は西側。そこをマッドベアラーが塞いでいる状態だ。つまり……


「今更引き返しても、この場所に戻ってくるだけだよ。最悪、マッドベアラーの正面に出てちゃうかも」


 俺様が来た道を戻れば、西側から出た状態で同じ場所に戻る。


 マッドベアラーの視界に入ってしまうが……それはそれで都合が良いのか。再度戻れば、先に進める。


 ただし、見られなければ問題ないが、気付かれた場合はそのまま追い掛けてくる事もあるのか。


 ラビの速さなら問題ないかもしれないが、サマナは確実に追いつかれる。


 万が一にも掛けるべきか。


「……あっ」


 そんな言葉をサマナとラビ二人共が思わず口に出てしまっている。俺様もその場面を見たら口に出していただろう。


 何故なら、マッドベアラーがフクロウコウジを木の枝諸共倒してしまったからだ。

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