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マッドベアラー

「フクロウコウジの向きを変えられる事は分かったが、それが罠にどう繋がるんだ。行き先が同じになるだけだろ?」


「違うよ。彼等が向かったの南。フクロウコウジが向いてた方向の反対側。境界線があるみたいなんだよね。それ以降だと見なくても大丈夫」


 別の場所に移動する直前でフクロウコウジの向きだけを変える事も出来るのか。


「つまり……サマナが来た時にフクロウコウジが見ていた方向に進むと危険だったという事か」


「そういう事だね。フクロウコウジが見てたのは彼等が逃げてきた方向。あっちにはマッドベアラーがいるらしいから。それに僕達をぶつけようとしたんだよ」


「マッドベアラーですか!!」


 サマナはブックをペラペラと捲り出した。


 俺様もブックで見た魔物を思い出す。確か……熊型の魔物だ。試験官が言っていた危険な魔物がマッドベアラーだと絵からでも予想出来るぐらいだ。


「これですね。巨大熊の魔物。ポイントは……五十!! レアなビックワガタの遥か上です。それに総数は一体だけ。探索者試験で一番の危険な魔物ですね」


「ダンジョンにはBOSSという存在がいるらしいけど、マッドベアラーがそれに該当するのかもしれないね。爪と牙、体当たりもヤバいって」


 魔法や技があるわけではなく、純粋に力があるタイプだな。俺様が知る時にいなかった魔物だ。



「それだけのポイントがあるという事は、参加者全員で協力する必要があるのかもしれないな。そんな奴の居場所が分かったのは助かる。そこを避けて移動すれば良いだけだ」


「そうだよね。下手したら、瀕死じゃなくて即死もの。サマナなんてヤバかったと思うよ」


 ラビには速さがあり、回避可能かもしれないが、サマナはそれも無理だろうな。防御魔法もマッドベアラー相手だと意味があるかどうか……


「……かもしれないです。でも、いずれかは負けないぐらいにならないと。ですよね!! ガイコツさん」


「そうだな。全然行けると俺様は思うぞ。勿論、今じゃないがな」


 ポテンシャルはあると思う。まだ死霊術師の力を使っていない状態だからな。それ次第では対抗策は打てるはずだ。


「僕達が目指す場所はそこを通らなくてもいいからね。先に西へ進めばいいだけだし。フクロウコウジの向きの変え方も分かったんだからさ」


 ラビはフクロウコウジの向きを西へ。


 ここが二つ目の分かれ道なわけだから、二つ先で北へ曲がればいい。


「最初に決めた通りね。怪しくなったら、お姉さんが空から見てあげるから」


 バーバラはいつでも空から見る準備をしているようだが……


「いつ戦闘になってもおかしくはなさそうだしね」


 フクロウコウジは移動のために置かれているが、マッドベアラーが……戦闘タイプの魔物が何処にいてもおかしくない事が分かったからな。


 バーバラはいつでも逃げれる態勢にしているのもあるぞ。

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