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あっち向いて……

「えっ!! 何で分かったの!?」


「それしかないだろ。フクロウコウジを使って、別の場所に移動するのは確かだからな。倒したとしても、補充させるのが早すぎる。ブックの総数を確認すれば分かるしな。魔物使いでもいたのか?」


「魔物使い? ……ああ!! テイマーの事だね」


「今はそう呼ぶのか。死霊術師と同じで、魔物使いもよく思われてなかったはずだが……」


 魔物使い。今はテイマーと呼ばれているらしい。倒した魔物等を使役する職業。


 死霊術師同様、敵を使役にする事に抵抗がある人間がいる。魔物がいつ裏切るかも分からないからな。


 強力な魔物は無理らしいが、弱い魔物を育てる事で同等に強くする事も出来たそうだ。


 フクロウコウジみたいな害のない魔物であれば、簡単に倒して、使役するのも容易いだろう。


「テイマーは獣人にとっても嫌な相手だよ。昔は僕達獣人も操られた事があるらしいし。けど、僕が見たのはテイマーじゃないからね。試験官もテイマーだけに有利な事はさせないと思うよ」


 探索者試験登録時、参加者の職業は把握される。特定の職業が有利にさせる事はないだろう。


 それだけでなく、参加者達が体験したダンジョンは選ばれないらしいからな。


「だとしたら、どうやって」


「こうするみたいだよ」


 ラビはフクロウコウジがいる方向に立ち、ジッと見つめる。すると、フクロウコウジも視線をラビに向けた。


 そして、ラビは人差し指を立てて、腕を上げた。それに釣られて、フクロウコウジが反応する。


「あっち向いて……ぽん!!」


 ラビが人差し指を右に刺すと、フクロウコウジもそちら方向に目や顔だけでなく、体全体の向きを変えた。


「おおっ!! そんな魔法があったのか。いや、そんな魔力を感じなかったぞ」


 単に体の向きを変えるだけだが、それだけに使う魔法があるとは知らなかった。魔法の知識でラビに負けるとは……


「違う違う。魔法じゃなくて、そんな遊びがあるんだよ。それに似てるから、掛け声が出ただけ。フクロウコウジは目が良くて、指差した方向に反応するみたいなんだ。これで好きな方向に行く事が出来るわけ」


「私もその遊びなら知ってます。それに反応するなんて、フクロウコウジはやっぱり可愛いです」


 遊びにそんなものがあるのか。どんな遊びなのか知りたいところだが、そんな場合じゃない。フクロウコウジの可愛さを肯定するのも置いておこう。


 フクロウコウジの向きを変更出来る事は分かったが、それがどう罠に繋がるのかだ。


 罠を仕掛けた奴等はフクロウコウジの視線の先に行ったはず。その後を追った先に罠が仕掛けられているのか?

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