勿体ぶるのは失敗だ
「だが、ポイントはなしか。小型なのもあって、総数も百匹もあるぞ。一網打尽にしたら、一気に稼げてしまう……わけじゃないのか。……別の理由もあるかもしれないぞ」
ビービーの説明文よりも下。注意書きというのがあり、同じ魔物を何体撃破してもポイントは加算されないと書かれているな。
「ポイントがゼロなら、わざわざ探したり、倒す必要はないからな。ゼロである理由があるとすれば、何かをするための工程に含まれているからじゃないか? 勿論、それなしでも可能だからというのもあるかもしれない」
ビックワガタを誘き寄せるための工程があるように、それぞれの魔物にも存在する。
フォレストバットがビービーを餌として好むようにな。それを手に入れたら、簡単に寄ってくる寸法だろう。
ただし、それなしでも見つける事が可能だからこそ、ポイントが低いんじゃないか。
「ガイコツ……ガイコツさんの言う通りかも。初めて、ガイコツさんが凄いと思ったよ。単なる口煩い奴だとしか思ってなかったからさ」
「そうだろそうだろ……って!! 結構酷い事を言ってるからな。まぁ……今回で考えが変わったのなら、良しとしてやる」
ラビは俺様を尊敬の目というよりも、馬鹿にした感じだったからな。今回は知的な俺様の姿に感動したわけだ。
「まぁ……それでいいよ。前回はダンジョンに罠とか謎解きみたいなのがあったんだけど、これがそうかも。ちゃんとブックを見ないと痛い目を見るね」
先を急ぐため、ろくにブックの中身を確認しない奴はいるだろうな。必要なポイント数とアイテムが分かれば良いと思う奴が。
ダンジョンは簡単に進めるものじゃないって事だ。あのガキ共はサマナ達よりも先にゴールするため、そこまで見ない気がするぞ。
「そうだ。そして、俺様はもう一つ重要な情報を見つけたぞ。最初の行動を決めるといっても過言じゃない」
俺様の知識があれば、少しの情報で解を見つける事が出来るわけだ。サマナが褒めるのは当然として、ラビは感動して、涙を流すんじゃないか?
「それは」
「甘い物って、蜂蜜の事じゃない? お姉さんが生きてた時、普通の蜂の巣から取ってた時もあるから。魔物でも同じでしょ。説明にもそれらしき事が書いてあるんだから」
「お、おま!! 俺様が教えようとしていた事を」
失念した!! バーバラの知識の中にもあるとは思わなかった。コイツにも昔ながらの知識が多少なりとも残っていた事を。
「そ、それです!! 蜂蜜は今もありますから。高級品ですけど。ビービーからも取れるなら」
「蜂蜜!! 幽霊のお姉さんが言ったの? ……それかもだね。狙う魔物が同じなのは丁度良い感じだし。ガイコツが言ってたのも、この事でしょ。勿体ぶるから」
ラビはサマナに伝えたのがバーバラと分かったんだろうな。『ガイコツさん』と呼んだのが、元通りに。何事も早めに言うべきというわけだ。




