デメリット
「うわ……今の時点で前よりも厳しくなってるよ。前回は一日の間だったのにさ。探索者の質でも落ちたからかな?」
ラビは試験官、シンキやガイエルにバレないように溜め息を吐いた。
時間制限、人数制限もあり。しかも、二日に掛けての試験だからな。それだけの時間を有するわけだ。
仲間が……パーティーになった奴等が有利。だが、ガイエルはそれを良く思ってなかった風だったんだが……
「二日……シルティ様は大丈夫かな」
周囲がざわめく中、奴は意に返さずだな。一日寝無ければ済む話ではある。
「……それを理由に誘うのは止めておけよ。プライドが高そうだからな」
探索者を目指す以上、それだけの理由で仲間にしようものなら、激怒ものだ。その先に仲間にするのも難しくなる気がする。
「分かる分かる。ああいうタイプは嫌がると思うよ。……それに最後までルールを聞くべきだろうしね。他に追加されてそうな雰囲気があるから」
ラビが俺様に同調した。下手に仲間を増やすのは危険。合格者数もまだ発表されてないわけだが、ラビの予想は的中した。
仲間、パーティーを組む事によってのデメリットが発生する内容が告げられたからな。
「仲間と共に行動するのは悪くないが、攻略を楽にさせるわけにもいかないからな。ポイントに関しては、開始前にブックを渡す。それに載ってる情報を見るように」
シンキ試験官も嫌な笑いを参加者達に見せる。
「……最悪だよ。下手したら、合格者指定数以下になる可能性大だね。早い物勝ち? これに関しては単独行動が有利かも」
「だ、大丈夫ですか。足手まといになりませんか?」
「ちゃんとサマナと一緒に行くつもりだから。サマナの支援は本当に助かるわけだし」
単独行動の旨味に、ラビがサマナを捨てるのか心配したようだ。そんな事をしようものなら……俺様やバーバラが許すはずがないぞ。
「とはいえ、考える必要があるぞ。単に魔物を倒せば良いわけじゃないからな」
「……ですよね。他の人達も相談を始めてるみたいです」
探索者試験はダンジョンの最下層、時間内にゴールに辿り着けばいいわけではない。
前回、ラビが探索者試験を受けた時には魔物の撃破と指定されたアイテムを回収する事。
今回も魔物撃破が含まれているのだが、どの魔物でもいいわけじゃない。
魔物撃破によりポイントが獲得される。指定されたポイントを獲得するが合格の条件となるわけだ。
それも魔物によってポイント数は変わるだけでなく、魔物の数も決められている。
何より、仲間の数によって必要なポイントは増えてしまうのだ。
試験官は参加者の行動を常に把握し、騙す事は出来ない。
更に言えば、参加者がポイント数以上の魔物を撃破すれば、ポイントが足りない者も出てきてしまう。
合格者の制限は八人。参加者の約半分の人数だ。これよりも下回る事もありえる。




