キレイキレイ
「あ、ありがとうございます。ガイコツさんは大丈夫ですか? もし、嫌だったら……」
「いや……そのままで構わん。この方が格好良いまである。魔法を使う際も都合が良いからな」
老婆の幽霊が勝手にした事には腹が立ったが、この姿の方がサマナも怪しまれずに済むだろう。
両手に骸骨を持ちながら歩くのは、流石にヤバいだろ。杖にすれば装飾品だと勘違いされてもおかしくはないはずだ。
といえ、俺様の頭を武器として使うのは止めて欲しいんだが……時と場合によるか。
「杖とマントは揃ったな。帽子と靴も用意してやれ。流石にそこまでやれば、はじまりのダンジョンとやらで止められる事はないだろ」
「だよね。任せてよ」
サマナは裸足で靴もない。頭も埃まみれになっている。女幽霊もサマナの姿を良くしようと、部屋の中での物漁りを続ける。
「そんな物まで」
「俺様の主となったんだ。ある物は使い、装備を整えろ。どうせ、古い物ばかりだからな。探索者になりたいんだろ?」
少しでも見た目を良くしなければ、追い返される可能性はある。最悪、俺様が口を出せば問題ないだろうが。
「は、はい!!」
サマナは素直に返事をするのと同時に、ぐ〜と腹の音が鳴り響く。それを鳴らしたのはサマナだ。
俺様や幽霊達は腹を空かせないからな。
「流石に食べ物はここにはおいてないぞ。さっさと装備を整えて、この場から出るかだが」
「木ノ実なら俺が取ってきてやるよ。夜も遅いからな。出発は朝にして、ここで寝ればいい」
男の幽霊は外にあるでろう木ノ実を取りに、天井をすり抜けていく。
「お前達が活発に動いている時点で、そうなるか。外に出れないから、時間の間隔が全く分からないんだよ」
俺様はずっとこの部屋にいたせいで、朝夜どころか、年月がどれだけ経ってるのかも把握してない。
そこらの知識は全くないが、吸収(勉強)すれば、問題なしだ。
「アイツの言った通り、出発は明日の朝にして、ここで眠ればいい。気になる物があれば、調べても構わないぞ」
幽霊達は夜が活発に動ける時間だが、サマナは違うだろう。俺様はどの時間でも大丈夫なんだが、彼女がいきなり倒れ込まれてはたまったもんじゃないからな。
ここは雨風防げる場所であり、幽霊が食べ物を持ってくる。安全も確保されている。
「あ、ありがとうございます。だったら」
サマナはマントの残りで、俺様の頭を拭き始めた。
「お礼です。ガイコツさんは綺麗な骨なんですよね?」
媚を売ってるわけじゃなく、本当にサマナはそう思ってる。媚も売るのも嘘判定になるからな。
「良い子過ぎるわ。勿体なかったかも」
幽霊達はサマナの人の良さに、俺様が不似合いだと。失礼な奴等だが、俺様もそう思ってしまったぞ。




