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同郷者

「その顔は……やっぱりそうだ!! お前みたいな奴がどうやってそんな装備を手に入れたんだ? それよりも探索者になるつもりなのかよ!!」


 ガキはサマナの帽子を勝手に上げて、顔を確認しやがった。しかも、『ボッチ』という変な名前で呼んだという事は……


「ボッチ!! 何だよ、その名前は。お前の知り合いかよ」


「知り合いというよりも、同じ孤児院出身ですよ。俺よりも先に出た……んじゃなくて、追い出されたんだよな。確か……職業が死霊術師だからか。死霊術師なのに、探索者になろうだなんて、無理な話だろ。俺は花形の魔法使いだぞ。ボッチと違って、孤児院の先生達にも期待されて、装備も用意してくれたんだ」


「お前の先輩かよ!! それに死霊術師なんて、笑い草だな。探索者にとって何の役に立つんだよ。そんなのがお前の仲間!! 嫌われ者同士でお似合いというしかないな」


 ガキ二人はサマナとラビを指差し、大笑いをかましてやがる。


 なるほどな。サマナの同郷か。そいつが十五歳になって、探索者を目指すと。職業が魔法使い。孤児院の期待の星かなんかで、サマナとは違い、装備も揃えて貰ったわけだ。


 サマナが動揺して、何も言い返す事が出来ないのもそのためか。扱いが全く違う。孤児院でコイツとその仲間に無視されてただろうからな。


「この……僕だけじゃなく、サマナにも言いたい事がばかり言って!!」


 ラビはサマナが馬鹿にされたと、ガキ共に殴り掛かろうとするが……


「口喧嘩までは良いが、手を出すのはギルド内では御法度だ。他の奴等が悪ノリする事もあるからな。それを破れば、探索者試験の参加を取り消す。理由が理由だけにお前達もだぞ」


 顎髭がラビの腕を掴み、それを止めた。その気配を全く感じさせなかったぞ。


 それに顎髭が言うように、この場所は酒場も兼ねている。ラビとガキ共が喧嘩をすれば、飲んでる奴等の酒のツマミにもなりかねないか。


「勝負をするなら、探索者試験ですればいい。戦闘は禁止されているが、邪魔するのは可能だからな。今回は時間制限だけじゃない。人数制限もある。仲間の数に物を言わせ、実力もないのにクリアする奴等が増えてるからな」


 顎髭はサマナとラビには目を向けず、ガキ共二人を睨みつける。


 ガキ共も顎髭の圧力に怯え、何も言い返せないでいる。実力が伴わないのも納得だ。


「……ちっ!! 仲間を増やそうと思ってたのに」


 顎髭の予想通り、コイツラは仲間を増やして楽をしようとしてたようだな。それで自分だけが落とされたはずだが……馬鹿なのか?


「りょ、了解。ボッチには負けるわけがないけど、俺達が目指すのは一位ですからね」


「絶対にお前等を探索者にさせないからな!!」


 ガキ共は入ってきたばかりなのに、早々に逃げるように出ていこうとする。


「言いたい放題言って!!」


 ラビは言い返そうとするが、サマナは何も言えずにいる。ここでコイツラに舐められるのも癪だぞ。


 ここは俺様の出番だ!! 目立つのも仕方ない!!

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