探索者ギルド
ラビはアジマルの探索者ギルドの扉を開け、中に入る。その後を引っ付くようにサマナもギルドへ足を踏み入れた。
(おおっ!! 中は酒場も兼ねてるから、この広さがあるのか)
ギルドの中は左側に受付があり、ダンジョンの情報や依頼、パーティー募集等の紙が貼られた掲示板等がある。奥にも扉があるようだが、何処に繋がってるのかは不明だ。
そして、右側には酒場になっている。そこで食事や酒を飲むのは当然として、探索者同士の情報交換がされる場所になってる感じだな。
朝ではあるが、探索者の数人が酒を飲みながら語り合ってる。それも幾つかのグループに分かれている。パーティーなのか、それとも個々での集まりなのか。
サマナやラビみたいな年齢ではなく、年上。ベテランらしき雰囲気を持った奴が多いぞ。
それもあってか、サマナのような新人もそうだが、ラビにも嫌な視線を送る奴はいないようだな。
ラビ曰く、獣人の探索者もいるらしいからな。全員が獣人を敵視しているわけじゃないのが分かる。
「サマナもさっさと終わらせてきなよ。僕は出入口前で待ってるから。どの受付でも大丈夫だからね」
ギルドの受付は四人いる。男性……オッサン二人と女性二人か。
選ぶとしたら、俺様も女性だな。探索者の若い男達は受付嬢の方に並んでいる。それぐらいに美人ではある。
「あの人……あの時に駄目と言った人がいます」
「何!! どいつだ」
酒場側はガヤガヤしているが、念の為に小さな声でサマナに尋ねた。
サマナをはじまりのダンジョンに参加させなかった奴か。その判断は正しいわけだが、どんな奴なのかは見ておかなければ。
墓守の汚っさんみたいな奴だったら、呪い(嘘)の言葉を投げつけてやらないと。
「あの人です。白髪で髭を生やした……」
「アイツか……まともそうだな。雰囲気もあるぞ」
白髪を後ろに束ねて、顎髭を生やしたオッサン。人間的には四十、五十代か? 歴戦の戦士……勇者の類みたいな雰囲気を醸し出していて、リーダー的な要素もありそうな……とはいえ、見た目だけでは分からないか。
「よし!! 登録はアイツにやってもらうじゃないか。今のサマナの姿を見て、どういう反応をするのか見物だぞ。そのためにもサマナは堂々としろよ」
とはいえだ。数多くの探索者がこのギルドに来るわけだ。一人一人の顔なんて覚えているかどうか。
実力者……昔でいう勇者なら、顔を覚えられているだろうが、サマナは試験に参加すら出来なかったぐらいだ。
普通なら忘れられてるだろう。だが、サマナには度胸をつけさせるために、発破をかけてやらないと。
「は、はい!! ガイコツさんやお姉さんから貰った装備があります」
サマナは俺様とバーバラが与えた装備に自信を持たせ、白髪のオッサンの元へ。
……そこは装備というより、俺様がいるからで十分なんだが。




