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人見知り発動

「やっぱり、見られてるね。敵視……じゃないだけ良いかな。獣人が普通に暮らしてる街もあるらしいけどね。こういう場所では珍しいから。サマナはギルドまでの場所は覚えてるの?」


 ラビの言う通り、通り過ぎる人間が俺様達をチラチラと視線を見ている感じはあるな。それも獣人であるラビよりも、サマナ。つまりは、俺様に向けての視線だ。


 サマナは深々と帽子を被り、顔は下向きにしてる。人混みが苦手なのは本人も言ってるからな。あまり視線を合わさないようにしてるのが原因でもある。


 黒の帽子とマント。呪われてそうな骸骨の杖。雰囲気も暗く、周囲には悪の魔法使いに見えてるのかもしれん。


 ソイツが獣人と一緒にいるんだ。注目を浴びるのも仕方ない。


 人間達が興味本位で近寄って来ないのが、唯一の救いではある。二人がこの状態だと、変な受け答えをしそうだからな。


「一度行った事があるけど、あまり……街に来たのは数えるぐらいだから。前はそれらしい人の後について行っただけで……」


「……本当にラビ様々だな。サマナだけだったら、試験を受けるのが一カ月後になってたぞ。目印になる場所とか覚えておくべきだな。ダンジョンの地図を作る前に、街の地図で作る練習をするのもありか。そのためにも顔を上げれるようにしておけよ」


 今更ながらに、はじまりのダンジョンの登録もそうだが、サマナだけでギルドに辿り着けたかどうかも疑問だったな。


 今はギルドまでの目印となる物を見つけておこう。こういう時にバーバラが目を覚ましていたら、空から見下ろす事も可能だろうが。


「そ、そうですよね」


「それはギルドからでいいんじゃないの? 登録するのにサマナが話し掛けるしかないんだしね。探索者候補じゃなくて、探索者もいると思うし、顔は覚えた方がいいよ。あっ……そうしてる間に、ギルドに着いたよ」


 ラビと話している間にギルドに到着。


「おおっ!! この街で一番デカい建物だな。かなりの魔力を建物から感じるぞ」


 俺様達が歩いて、見えた店の広さの倍以上の大きさと広さがある。しかも、単なる石造りじゃなく、魔石を利用してるようだ。


 魔石は魔力を秘めており、魔法等の用途がある。ギルドの守るために結界、防御魔法が組み込まれているんだろうな。


 ギルドの中にいる人間達の声が漏れないのにも役立ってそうではある。


 俺様がいた屋敷よりも凄い気がするぞ。これも時の流れだな。


「これでもギルドの大きさは小さい方らしいから。城下町とかになったらもっと凄いんだって」


「ほう……それは楽しみだな」


 俺様は楽しみだが、これ以上となるとサマナにはきりの特訓が必要だな。……それはラビも一緒だな。


「それじゃ……サマナが……僕が先に入ろうかな」


「お、お願いします」


「中に入るまでだからね。登録は自分でしないと駄目なんだから」


 ラビは外で待ってる素振りを見せたが、サマナの震えが止まらない事で、渋々入る事を選択したな。


 サマナも一度は断られてるから、緊張するのも仕方ない事だが。

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