利害の一致
「サマナを仲間にしたい理由を言え。それ次第で俺様も許可してやる。『幸運な人』も説明もまだだからな」
「お姉さんもそこは賛成かな。アークはサマナちゃんを心配して、そんな事を言ってるんだからね」
バーバラの声はラビには聞こえないからな。俺様の言葉のフォローをしてくれるのは助かる。
「簡単な事だよ。僕もそうだけど、サマナも……言い方が悪いかな? 獣人と死霊術師は嫌われてるからさ。だから、サマナも街じゃなくて、ここで野宿をしてるんだよね?」
「……うん。それもあるかも」
サマナがいるのは魔法の練習のためではあるが、嫌われている事が理由なのもないとも言い切れないか。
「……で!! 獣人と死霊術師が嫌われているとして、嫌われ者同士が仲間になって、どうなるわけだ?」
「実は……僕は探索者の試験に挑戦して、失敗してるんだよね。その理由が、人間の探索者候補達が僕の邪魔をしてきたから。それも獣人だからってだけでだよ。ライバルを減らす事にもなるし」
ラビは前回の試験を思い出したらしく、溜め息を吐いてる。
「なるほどな。そういうのは大人よりも子供の方がヤバそうだ。今回もそうなる可能性が高い。そして、お前だけじゃなく、死霊術師のサマナも狙われやすいわけだな」
ライバルを蹴落とすのであれば、狙われやすいのは嫌われている奴になるわけだ。
ラビがサマナを囮にしたところで、次はラビの番になるのは変わらない。
だったら、協力して、他の奴等に対抗した方が早い。
仲間というよりも、利害の一致。探索者になるための共闘関係。サマナが求めているのと違う気はする。……友達ではないな。
「いいだろう。俺様も認めてやる。ただし!! サマナを裏切った場合、コイツのような死者達がお前を追い詰める」
「ガイコツさん!?」
「お姉さんに任せなさい。サマナちゃんを泣かたら許さないし、何処に隠れても見つけてやるんだから」
「幽霊のお姉さんも!?」
バーバラは任せろとばかりにドンと胸を叩く。浮遊霊でもあるから、こういう時に移動制限がないのが心強いぞ。
サマナも俺様達の言葉にオロオロしているようだが、ここで釘を刺しておかないと。一応、サマナは死霊術師だが、人間でもあるわけだ。
ラビが人間に対して良く思ってないのなら、何処かで裏切るかもしれない。
まぁ、はじまりのダンジョン攻略の一時的な共闘関係なら問題ないわけだがな。
「そこは分かってるよ。それに……」
ラビは口籠るが、何かよからぬ事を考えてるのか?
「安全にご飯を食べる事が出来るのは助かるからね」
「はい!! ラビさんの分もちゃんと用意しますよ」
「それぐらいは自分で取って来い!! むしろ、獣人のお前が持ってくるべきだろ。焼くのはサマナがやるんだからな。サマナも良いように使われるなよ」
俺様も思わずツッコミを入れてしまった。まさかの飯要員として重宝しようとしていたとはな!!




