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嫌われ職業

「お姉さん!!」


「安心して。お姉さんはちゃんと分かってるから」


 ウサギ女が地面にぶつかる直前、バーバラが抱き締めて、宙に浮かす。意識すれば、物に触れる事は可能だ。それは物だけじゃなく、ウサギ女も例外じゃない。


 とはいえ、重さによっては落とす可能性もあったが、無事に着地させる事に成功。バーバラがゆっくりと降ろした形だな。


 幽霊に抱き締められたのもあったのか、ウサギ女は腰が砕け、ぺたんと座り込んだ。


「だ、大丈夫ですか?」


 サマナは慌てて、ウサギ女に近寄る。そのタイミングでバーバラはサマナの背後に付く。


 怯える中で手を差し伸べる。そんな相手を拒否する事は滅多にいないだろう。助け舟を出したのもサマナだ。


 とはいえだ!! 幽霊を仲間にしている奴をどう思うかだ。


「これを考えたのは俺様だ。契約者であるサマナじゃないからな。恨むなら、俺様を恨め」


 そこは俺様が悪役を演じようじゃないか。それで駄目なら……ウサギ女が何もしてこない限りは、逃がしてやるだけだ。


 その時は仲間にするのは諦めないと駄目だがな。奴も不用意に近寄って来ないだろう。でなければ、余程の馬鹿だな。


「……幽霊と話してるわけ?」


「お前も幽霊と話してただろ?」


 サマナが何か言う前に、俺様がツッコミを入れてしまった。


「姿を見えたけど、声まで聴こえたかは分からないわね」


 バーバラはウサギ女に見えるように意識を強くしたが、声まで届いてるかはウサギ女本人しか分からない。……混乱もしてたからな。


 今の俺様とバーバラの声が届いているかにもよるが……反応はなし。そこは死霊術師の特権だな。


「そうですね。私の職業が死霊術師だから、幽霊さん達を見る事も出来るし、話す事も出来ます。ガイコツさんだけは特別だから、貴女にも声が届いてるでしょ」


 サマナは素直に答えて、ウサギ女に俺様を持つ別の手を差し伸べた。


 これでウサギ女がどういう反応を取って、仲間に出来るかが決まる。


 一番良いのは死霊術師、サマナに興味を示す事だ。勿論、俺様に対してでも構わない。


 第二に敵視する。サマナの手を振り払い、何度も挑んでくる。何度もやり合う関係が出来、いずれは……的な可能性は残ると思う。


 駄目なのはサマナを、死霊術師を畏怖する事だ。そうなれば、コイツはサマナから遠ざかり、二度と会わないようにするだろうな。


「魔法使いじゃなくて、死霊術師なの!! 魔族寄りで、嫌われてる職業の!!」


「うっ!! ……それは言わないでください」


 さっきはバーバラに驚いていたはずわりには、ウサギ女は興味を示したようだ。ただ……『嫌われている職業』だと直接言われた事で、サマナはダメージを受けてるんだが……

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